複数の企業や組織で協力して製品を購入する共同購買は、コスト削減や業務効率の向上など、さまざまなメリットが期待できます。単独では不可能でも、共同なら実現できることも多いので、上手く活用するのがおすすめです。
ただし、共同購買がマイナス効果を及ぼすケースもあるため注意が必要です。
そこで本記事では、共同購買の概要や具体例、メリット、成功のコツについて解説します。「共同購入に興味があるものの踏み切れない」「どのように始めて良いかわからず不安」という経営者や購買担当の方は、ぜひ参考にしてください。
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共同購買とは
共同購買とは、複数の企業や組合組織などが協力して製品やサービスをまとめて購入することを指します。
例えば、企業Aがある企業の製品を毎月100個仕入れたいとしましょう。サプライヤーとしては、購買量が多い方が低価格で提供できます。
そこで同じ製品を欲している企業を企業B、C、D・・・という具合に募り、1,000個、2,000個と一括注文する方が単価が安くできます。
企業Aが開拓できない取引先が企業Bの得意先である場合、企業Aからすると共同購買によって本来は入手できない製品が購入できるようになります。月間100個では販売してもらえないところを、注文数を増やすことにより仕入れ可能になるケースもあるでしょう。
共同購買する側に大きなメリットがあるだけでなく、サプライヤーも安定した売上が確保できるため、Win-Winの関係が構築できるのです。
共同購買の例
共同購買の具体例をご紹介します。
企業を対象にした組合
食品加工品や医薬品・医療機器などを、企業を対象にした組合が共同購買する例があります。
特に中小企業の場合、大企業とは違って資金に余裕がないため、協力して購買するケースが多いです。
例えば、食品加工業界では、原材料費や物流コスト、生産コストの高騰と少子高齢化による人口減に起因する市場規模の縮小など、経営環境は厳しくなる傾向にあります。
そこで、企業同士が協力し、相互の強みや特性を活かして、原材料、副資材、包装資材などを共同購買して仕入負担を減らす取り組みがなされています。
グループ企業を巻き込んだ共同購買
グループ企業全体で共同購買を行う例もあります。
親会社をトップに子会社や孫会社が、同じ領域の製品を利用しているにもかかわらず、各社が別々に調達しているケースが意外と多いです。グループによっては構成企業が数十に及ぶ例もあり共同購買によるコストメリットや業務効率化は計り知れません。
また、単独企業でも社内の事業所で共同購買することで、経営のスリム化を図る場合もあります。この場合は「集中購買」と呼ばれることが一般的です。
共同購買のメリット
共同購買がもたらすメリットについて詳しく解説します。
購買単価が下がる
上記の例のように共同購買にはさまざまな形態がありますが、いずれにおいても購買単価が下がることが一番のメリットになります。
昨今は、物価高騰が、業界を問わず企業経営に深刻なダメージを与えている状況です。
そこで、製品や原材料の調達ルートを確保すると同時に、調達コストを最小化することが重要課題となっています。そのソリューションとして共同購買は極めて有効といえます。
価格交渉がしやすくなる
単独で仕入れるより、共同購買の方が価格交渉でも有利になります。
まとまった数量を継続的に発注すれば、サプライヤーにとっても経営上のメリットがあるため、要望が通りやすくなるからです。
事務コストの低下
共同購買すると、契約から発注、支払いにいたるプロセスを簡略化できます。
窓口を一つにすることで、契約状況が明確になり、発注書の発行、製品の運搬手配、支払いの回数などが減り、事務コストの低下と業務効率の向上が実現します。
コンプライアンス管理を統合できる
共同購買によって取引プロセスの一元化が進むと、コンプライアンス管理も統合可能です。
購買プロセスでは、正式に契約を済ませ、発注や支払いについても不正なく健全に行われなければなりません。しかし、中には契約書を書面で残さないケースや発注書を発行しないケースなど、コンプライアンス管理が徹底されない場合があります。
こうしたプロセスで属人化が進むと、不正取引や理不尽な値下げ要求といったリスクが増します。共同購入ではシステム統合によって自ずとチェック機能が働くため、こうしたコンプライアンス違反をなくす効果もあるのです。
共同購買を成功させるコツ
共同購買を成功させるポイントを3つご紹介します。
サプライヤーをまとめる
同じ製品を各部署や事業所が別ルートで購入している場合は、サプライヤーをまとめましょう。
製品価額だけでなく、製品の品質や信頼性、事業規模、リスクへの対応力などさまざまな角度から最適な仕入れ先を選定します。
満場一致が望ましいですが、特に構成する事業所の数が多い場合は容易ではありません。入念な調査や議論を重ね、異論が出ない形でサプライヤーを選定することが大切です。
リスク管理を行う
サプライヤーを絞ると、何らかのアクシデントが発生した場合に製品供給がストップしたり、欠品したりして、ステークホルダーに多大な損失を与える恐れがあります。在庫に余裕を持たせる、代わりの仕入れ先を確保するなどのリスク管理が不可欠です。
購買管理システムを活用する
共同購買を実現するには、購買管理システムの活用がおすすめです。
契約から発注、納品、支払い、コンプライアンス管理に至るまで一元管理できます。事務コストを抑え、属人化も防止でき、業務効率化とプロセスの可視化も進むため、成功率は確実に高まります。
まとめ
共同購買を行うと、購買単価が下がり、価格交渉もしやすくなって事務コストが低下するためおすすめです。ただし、スタートするには入念な準備が必要ですし、オペレーションにミスが出ない様に最適なシステムを構築する必要があります。
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