第四回 計画とスケジュールのためのBOM
前回の記事でご紹介した「ストラクチャー型BOM」(構造型部品表)は、もともと1960年代から70年代にかけて、米国で考案され発達した概念です。米国ではその当時、MRP = Material Requirement Planning(資材所要量計画)と呼ばれる新しい生産管理手法が、コンピュータの発達とともに登場していました。
MRPは製品単位の需要量を、部品単位の生産スケジュールと購買手配に結びつけるために生まれたものです。それ以前の米国では、製品や中間部品はロット生産を行い、資材手配は発注点管理が普通でした。各製品がずっと同じペースで売れていくなら、これでも良いでしょう。

しかし製品の需要が変動するのに、お構いなしにロット生産や購買を続けていけば、工場の中は余計な在庫で溢れかえります。MRPはこの問題を解決し、必要なものを必要なタイミングに、必要な数量だけ生産することを目的に開発されました。 図4-1をご覧ください。これは製品Sというスピーカーのストラクチャー型BOMを示したものです。各段階の部品の親子関係は、それぞれ員数と工程で結び付けられています。そして各工程(正確には、複数の作業からなる場合もあるため「工順」=ルーティングとよばれます)に、標準リードタイムが設定されます。
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