第二回 購買のためのBOM
 日本の大手メーカーは、自社内で最終組立てと検査のみを行い、部品は全てサプライヤーから納入してもらう形態が、少なくありません。そうした企業では、設計部品表E-BOMがほぼそのまま、外部から購入する部品リストになります。しかし自社内で部品加工を行うメーカーもあります。そうした企業にとって、上記の形態のE-BOMのままで、買い物リストに使うわけにはいきません。
 E-BOMとは、料理のレシピにたとえるならば、最終形の料理を構成する材料や中間品のリストにあたります。冷し中華1人前の材料は、中華のゆで麺1玉と、錦糸玉子50gと、キュウリ30g、チャーシュー50gに、たれ70cc・・という具合です。料理は一種のものづくり=製造業務ととらえることができますが、E-BOMは料理の「最終組立工程」における、親製品と子部品との関係を示したものです。

 ところで、錦糸玉子は冷し中華の上にのせる直接の材料(部品)ですが、それ自体をスーパーから買ってくることは、普通しません。錦糸玉子は生卵に砂糖とお酒を加えて、薄く焼いて作ります。ですから、スーパーでは、錦糸玉子の原材料である生卵と砂糖とお酒を調達するはずです。
 工場も同様です。E-BOMに指定された部品類は、加工する前の原材料を調達しなければなりません。したがって購買部門には、設計部品表E-BOMを原材料の形までさかのぼった、別の形の表が必要になります。これを購買部品表P-BOM(Procurement BIll of Material)と呼びます。P-BOMは料理のレシピにある材料表に相当します。
P-BOMも、親である最終製品の下に、子である原材料・購入部品が並ぶ、2階層のフラットなBOMの形になるのが普通です。

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