株式会社大手様
これまで、郵送やファックスでのやりとりが主流だった見積書や注文書などの帳票類。しかし、 EDI(電子データ交換)が普及し、インターネットなどによるデータの送受信が可能になり、その作業負担やコストは大幅に削減されるようになった。
電子機器部品の製造・販売をメインに手掛ける株式会社大手では、帳表配信システムの「EdiGate/POST」を導入することで業務改善に成功した。
【EdiGate/POST導入による効果】
・インターネット経由の自動配信でコストと作業負担を軽減
・仕入先に負担をかけない導入を実現
■改善を検討していた受発注業務
「2006年6月、大興電子通信の営業の方から新製品案内のお話がありました。それはそのころ、われわれが抱えていた課題も解決してくれるものだったのです」
パソコンのステータスパネルや携帯電話のスクロールボタンなど、電子機器の外装部品、内装部品の製造・販売をメインに手掛ける株式会社大手。管理本部 総務部 総務課 課長の橘直幸氏は、電子帳票配布システム「EdiGate/POST」導入のいきさつをこう話す。
当時、同社が「抱えていた課題」とは、受発注システムを有効に活用した業務の効率化であった。
もともと同社は、電子機器部品の商社として事業を展開していたが、2001年にさらなる発展を目指し、製造部門を開設。それにより仕入先が一気に拡大し、毎月受発注が発生する仕入先だけでも300社から350社に及んでいた。
そこで、業務の効率化を図るため、2年ほど前から、受発注システムの構築に着手。基幹システムからCSV形式の受注データを出力し、仕入れ先にメールで送信するシステムを構築し、テスト稼働を開始した。ただ発注データを利用するためには、仕入れ先にこのシステムをインストールしてもらう必要があった。
「まず主要な仕入先10社を対象に導入しましたが、その後、対象を48社に広げたら、メールが届かなかったり、送信に時間がかかったりと、メールの管理に時間をとられるようになってきたのです」(橘課長・以下同様)
当時、受発注システムから1日に3度発注メールを送信するほか、注文した製品を受け入れ処理したと知らせる受領メールも送信する仕組みになっていた。それらのメールがきちんと届かないため、業務に負担がかかり始めてきたのだ。
■インターネット経由の自動配信でコストと作業負担を軽減
そんなとき大興電子通信から紹介されたのが、「EdiGate/POST」だった。もともと同社は得意先からの受注の際に、大興電子通信の別のEDI(Electronic Data Interchange:電子データ交換)製品を使用していたこともあり、その提案を前向きに検討することになった。
「EdiGate/POST」は、大興電子通信が提供するEDIソリューションのひとつで、社内システムなどで生成される見積書や注文書、納品書などの帳票データをPDF化して、インターネット経由で自動配信するというシステムだ。
用紙代や印刷代、郵送費などのコストが削減されるほか、仕分けや発送などの作業負担も軽減されるというメリットがある。
橘課長は、この「EdiGate/POST」を知り、「これはいける」と直感したという。
「仕入先にメールを送信するのではなく、自社のWebサーバに保存されているデータを仕入先がインターネット経由でダウンロードする仕組みなので、発注データが届かないという不安や、そのために発生する作業が回避でくるものと確信しました。また、『EdiGate/POST』には、相手のダウンロードの有無を確認できる“送達確認”機能や、新着データをお知らせする“新着通知メール”機能がある点も、従来の作業を補い、軽減で来るものと思いました」
しかもこのシステムは、大興電子通信が提供する各種EDIソリューションのなかの簡易版とも言える位置づけで、価格も手ごろ。その点も大きな魅力だったと橘課長は言う。
■仕入先に負担をかけない導入を実現
最初に「EdiGate/POST」を案内された1か月後に導入を決定。その後、通信会社も含めて打ち合わせを重ね、通信インフラを整備し、検討から2か月後の9月にはシステムづくりが完了。まずは主要仕入先70社との間で運用を開始した。
「こうした受発注システムの場合は、自社の通信環境だけを整備すればいいというわけではありません。仕入先のパソコン環境などもかかわってきます。しかし、『EdiGate/POST』では、パソコンが1台あり、インターネット環境が整っていればご利用いただけます。システムをインストールしていただく必要もありませんので仕入先に負担を掛けることもなく、スムーズに導入できました」
ただし、同社の仕入先には従業員が数人という工場もあり、パソコンを使い慣れていない企業も少なくない。そのため導入にあたっては説明会を開き、使い方や注意点、運用面の変更点などのレクチャーを行った。
「最初は難しそう、面倒だという声もありましたが、実際に使い始めてみると、思ったよりも簡単という方が多かった。われわれとしても確実に注文書が届くわけですから安心して使うことができます」
今後はさらに導入先を拡大していく予定。また、注文書などの帳票だけでなく、「EdiGate/POST」を使って図面データをやりとりするなど、新しい活用の仕方も検討していきたいという。このシステムが、動作の業務効率化にますますます寄与していくのは間違いないだろう。
■企業data■
社 名 株式会社大手
会社概要 1963年7月、工業用ゴム製品の商社として発足。
やがて合成樹脂、金属製品へと事業を拡大。
特にパソコン、携帯電話など電子機器の外装部品、
内装部品においては多くの実績を持つ。
2001年には埼玉工場(現千葉工場)を開設。
以降、商社部門と製造部門を併せ持つ総合メカパーツ企業
として成長を遂げている。
本 社 東京都文京区
U R L http://www.k-ohte.co.jp/