生産管理

/

 

生産管理システムの選び方とは?
各部門の合意を得るための5つのポイントを解説

製造業

製造業の主要業務を支える「生産管理システム」。その導入にあたっては、経営課題のみならず、複数部門の業務課題、業務オペレーションなど、様々な要素を複合的に比較検討する必要があります。しかし、その導入過程では各部門の主張がぶつかり合い、最適な選定軸を定めることが困難になることも。

今回は各部門でスムーズに合意を得るために大切なポイントをご紹介します。

各部門の抱える課題を明文化しよう

生産管理システムの導入を検討するとき、まず初めに取り組むべきは「各部門の課題の洗い出し」です。

生産管理システムに携わる部門には、製造や設計といった部門に加えて、営業、資材、経理など、多岐にわたります。これらの部門の各担当者が異なるミッションを持っているため、まずはそれぞれの部門が抱える課題をヒアリングし、「なぜ、それが課題なのか?」を掘り下げて確認する必要があるのです。

各部門でよくある課題としては、次のようなものがあります。

営業部門によくある課題

  • 顧客からの複雑な要件を整理するための時間がかかる
  • 見積原価の根拠が曖昧で、トラブルにも繋がりやすい

設計部門によくある課題

  • 設計業務はベテラン頼みで属人化している
  • 設計以外の業務工数が大きく、コア業務に集中できない

製造部門によくある課題

  • 膨大な数の部品管理が煩雑で、手間になっている
  • 工程スケジュールのムリやムダが多い

これらのような課題を一つひとつ明文化することで、各個人の感覚や感情ではなく、各部門においてクリアすべき課題を見極めていきましょう。

生産管理システムの導入目的を明確にしよう

解決すべき課題を明確化した次のステップでは、それらの課題に「優先順位」をつけましょう。ここでは、「横軸:重要度」「縦軸:優先度」といった2軸で課題を分類することが有効です。いずれも高い位置づけにあるものは当然高い優先順位に位置付けられます。その一方で、例え重要度が高くても優先度が低い課題は、後の機能追加などでも対応できる可能性があります。

こうして優先順位付けを行うことができれば、システムを選定するための軸を明らかにすることができます。

生産形態・管理方式が適したものを選ぼう

ここから実際のシステム選定に入るわけですが、ここで一つ注意点があります。一言に「生産管理システム」といっても、そのシステムが全ての生産形態や管理方式に対応しているとは限りません。

例えば、「個別受注生産」の形態を取っている場合には、要注意です。

個別受注生産は選定に注意が必要

個別受注生産は、見込み生産・受注組み立て生産といった形態と異なり、その製品の用途に応じて仕様設計が都度、異なります。そのため、仮にMRP(足りない部品を自動的に発注するエンジン)といった仕組みがついていても、受注が決まった後にカスタマイズした製品を作り込む個別受注生産の現場では馴染みづらいといえます。

このように、生産形態によって最適な機能は異なるため、こういった前提事項のずれが起きないように十分注意しましょう。

「5M」を管理できるものを選ぼう

続いて確認すべき視点は、「5M」についてです。生産管理の「5M」とは、製造業のQCD(Quality:品質、Cost:コスト、Delivery:納期)を実現する上で欠かせない5つの項目を意味します。具体的には、次の5つを指します。

  1. 人(Man)
  2. 機械(Machine)
  3. モノ(Material)
  4. 作業方法(Method)
  5. 金額(Money)

例えば、「4.作業方法」は、業務プロセスの属人化を解消し、標準化を促進するための視点を意味します。他にも「5.金額」が含まれていることで、コストや収益へのインパクトが確認できるようになったり、「3.モノ」が可視化されることで、部品情報の把握に要する時間を短縮できたりします。

このような「5M」を漏れなく管理できることは、各部門からの要望をシステム上で実現するための鍵になります。

経営層の理解・支援を得よう

最後に行うべきは、経営層の理解を促し、支援を取り付けることです。生産管理システムの導入は、特定部門の業務を担うものではなく、複数部門を跨ぎ、全社を巻き込んだ一大プロジェクトとなります。だからこそ、経営層の理解や支援をなくして、成功を収めることはできません。

そこで、経営層と議論を交わすべきは、「生産管理システムの導入が経営課題をいかに解決するか」というポイントです。そして、次のような観点を踏まえた生産管理システムを前提とすれば、よりスムーズな導入を進めることができるはずです。

  • 経営状況の見える化
  • 経営判断の迅速化
  • 収益やコストの可視化
  • 業務効率化による人材不足問題の解消

最後に、今回ご紹介した5つのポイントを踏まえ、個別受注生産の方式を取る企業に最適な生産管理システムをご紹介します。

個別受注生産に特化した生産管理システム

個別受注向けハイブリッド販売・生産管理システム「rBOM」は、経営課題や複数部門で生じる製造業独特の課題を解決する生産管理システムです。

営業・設計・製造・資材・会計といった各部門が扱うデータを一元管理し、全社的な業務プロセスの効率化、大幅な生産性向上の実現を可能とします。また、販売管理モジュール(案件、見積、受注管理、債権管理機能etc.)と生産管理モジュール(発注管理、債務管理、在庫管理、原価管理、予算管理機能etc.)を備えているため、各部門の要望を柔軟に取り入れることができます。

国内統合BOM導入数ナンバーワン(導入社数200社)の実績を誇り、多くの企業様の悩みを解決しています。生産管理システムの導入に関して課題をお持ちの企業様は、お気軽にお問い合わせください。


BOMの統合により情報共有をシームレス化。
リアルタイムな進捗・原価把握を実現する生産管理システム「rBOM」については、下記よりご覧いただけます。

カタログ 製品の詳細


 

田幸 義則
この記事を監修した人
入社後15年間、長野支店にてシステムエンジニアとして活動。
運送業、倉庫業のお客さまを中心に担当し、業務システム構築からインフラ環境構築等の経験を積む。
その後、製造業のお客さまも担当し、rBOM導入のプロジェクトにも関わるように。
16年目に現部門に異動し、rBOM全国支援の担当者となる。
現在はrBOMだけではなく、製造業全般のソリューション提案を手掛けている。
料理が趣味、これからお菓子作りにも挑戦しようか迷っている。
大興電子通信株式会社
ビジネスクエスト本部
インダストリー推進部
田幸 義則
【事例で学ぶDX】BOMを統合して経営を強化、コストダウンへ

関連記事

  1. 生産管理

    製造原価率を改善しよう!
    業界水準や計算方法、原価を削減する取り組みをご紹介

    製造原価率とは、製造業の売上に直接的にかかった費用(製造原価)の割…

  2. 生産管理 基礎知識

    共同購買とは|利用の背景やメリット、成功させるコツを解説

    複数の企業や組織で協力して製品を購入する共同購買は、コスト削減や業…

  3. 製造業のデジタル化を推進!企業力強化に効く、8つのデジタル活用場面

    生産管理

    工場の熱中症対策に業務用スマートウォッチを活用しよう!

    2021年に厚生労働省が策定した「職場における熱中症予防基本対策要…

  4. 生産管理 基礎知識

    多品種少量生産のメリットとは?ニーズに応え生産性を高める方法

    売上を伸ばすためには、消費者のニーズをくみ取り、製品の開発・改善に…

  5. 製番管理とは?メリット・デメリットや似た意味の言葉との違いを解説

    生産管理

    製番管理とは?メリット・デメリットや似た意味の言葉との違いを解説

    製番管理は、個別生産や受注生産に有効な生産管理方式です。生産方法の…

  6. 生産管理 基礎知識

    成長につながる生産管理を!具体的な流れや重要なポイントを解説

    製造業において、利益を得るために重要な工程の1つが「生産管理」です…

人気記事ランキング

注目記事

業界別・部門から探す

業務から探す

トピックから探す

ホワイトペーパー

製品カタログ

  1. 新着記事やイベント情報。
    ホワイトペーパーのご案内等お役立ち情報を
    お届けします。

本記事に関連するタグ

お役立ち資料一覧

rbom