生産管理 基礎知識

 

まだ部品表をExcelで管理している? システム化でQCDが向上するワケ

まだ部品表をExcelで管理している? システム化でQCDが向上するワケ

製造業の現場で悩みの種になりがちな「部品管理」。多くの企業がExcelで管理を行っているのではないでしょうか。しかし、Excelでの管理には手打ちによる入力ミスや重複作業による業務の非効率化など多くのデメリットが存在します。では、これらをシステム化することで業務のQCDはどのように変化するのか、

その課題と解決アプローチについてみていきましょう。

部品表をExcelで作成する煩雑な業務フロー

Excelを利用した部品表の管理については、各部門の業務フローに照らすと様々な非効率さが潜んでいることがわかります。一般的には設計部門でCADを作成後、Excelで部品表を作成します。そして、その部品表をもとに資材部門では調達システムにデータの入力作業を行い資材が発注され、入荷した部品は製造部門で利用されます。

しかし、ここでは次のようなデメリットが存在します。

部品表をExcelで管理するデメリット

Excelで部品表を管理するうえでのデメリットとして挙げられるのは、次の4つです。

手打ちによる発注ミス

1つ目は、手打ちの作業で発生しがちな「入力ミス」です。Excelからのコピー&ペーストや目視による入力作業をする過程では、必ずといっていいほど入力ミスが発生します。また、入力後にはチェックの手間もかかるため、必要以上に業務負荷がかかるものです。

部品点数が多いほど負荷大 2つ目は、部品点数が多いほど業務負荷が増大することです。現場で扱う部品の点数は数千~数万点に及ぶことも珍しくありません。また、図面だけを渡されて発注するケースも存在するため、その業務負荷は部品点数だけでは測れないものがあります。 発注後の仕様変更による原価ロス

3つ目は、仕様変更が生じた際の原価ロスです。設計の変更が生じた際には、資材部門で発注する部品にも変更が生じます。しかし、Excelで部品管理をしていると、その影響範囲の特定や変更処理にも時間を要するため、結果として原価ロスを招きかねません。

製造からの手配進捗の問合わせが頻繁に発生

4つ目は、製造部門からの問合わせの頻発化です。Excelをもとに発注を行っていると、製造部門からは発注状況がみえないため、その進捗に関して問合わせが入りがちです。発注処理に変更が入った場合には、なおさら問合わせの頻度も増大するでしょう。結果として、入力作業の負担だけでなく、問合わせ対応に多大な工数を要することになってしまうのです。

これらのような課題の根本原因は、Excelによる管理方法にあるといえます。そこで検討したいアプローチが、システム化によって業務フロー自体の改善を図るという方法です。

システム化で一気通貫の情報伝達フローを構築

前述のようなExcelのデメリットを解消するための最適な打ち手の一つが、システム化による情報伝達フローの最適化です。システム化により営業・設計・製造・資材といった部門での情報伝達を一気通貫で行えるようになれば、無駄がなく変更にも強い業務フローの構築が可能になります。

例えば、システム化を行った後に設計者がCAD図面を作成し、部品表をシステムに登録すると、登録した部品情報がそのまま資材部門に伝達されるようになります。そのため、資材部門では登録済の部品表に付加情報のみ登録すれば、部品の手配が可能になるのです。また、過去の部品表を流用することで、設計にかかる時間も削減できます。

部品表のシステム管理でQCD向上・業務効率化・コスト削減

システム化による最も大きなメリットは、部門の壁を越えた一気通貫の業務フローを構築できることにあります。それにより各部門の非効率な業務を解消し、QCDの向上やコスト削減にもつなげることができます。

大興電子通信が提供する生産管理システム「rBOM」では、部品の一括管理を実現し、Excel管理からの脱却を実現する仕組みです。入力作業自体を減らすことで、ミスの防止や業務負担の軽減、仕様変更による原価ロスの回避が可能になります。

それぞれの部品がどの製品で使用されているのかクイックに特定することができるため、仕様変更による影響範囲の把握も容易です。また、各部門のデータをリアルタイムに共有することにより、製造部門からの問合わせの軽減も期待できるでしょう。

各部門の全体最適を目指すための第一歩はExcelからの脱却にあります。部品管理の煩雑さや業務のQCDについて課題をお持ちの企業様は、ぜひ活用をご検討ください。

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田幸 義則
この記事を監修した人
入社後15年間、長野支店にてシステムエンジニアとして活動。
運送業、倉庫業のお客さまを中心に担当し、業務システム構築からインフラ環境構築等の経験を積む。
その後、製造業のお客さまも担当し、rBOM導入のプロジェクトにも関わるように。
16年目に現部門に異動し、rBOM全国支援の担当者となる。
現在はrBOMだけではなく、製造業全般のソリューション提案を手掛けている。
料理が趣味、これからお菓子作りにも挑戦しようか迷っている。
大興電子通信株式会社
ビジネスクエスト本部
インダストリー推進部
田幸 義則
【事例で学ぶDX】BOMを統合して経営を強化、コストダウンへ

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