2021年に厚生労働省が策定した「職場における熱中症予防基本対策要綱」により、事業者はWBGT値(暑さ指数)の測定と活用により従業員を熱中症から守ることが努力義務になっています。本記事では、WBGT値の活用を織り込んだ業務用スマートウォッチによる熱中症対策について解説します。
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WBGT値(暑さ指数)と「職場における熱中症予防基本対策要綱」
WBGT値(暑さ指数)と「職場における熱中症予防基本対策要綱」については、それぞれ所管省庁の関連サイトに詳しく紹介されていますので、それらのサイトからポイントと考えられる事項をまとめました。
- 2022年における職場での熱中症による死傷者(死亡・休業4日以上)は、827人(前年比266人・47%増)であり、全体の約4割が建設業と製造業で発生
- 暑さ指数(WBGT(湿球黒球温度):Wet Bulb Globe Temperature)は、熱中症を予防することを目的として1954年にアメリカで提案された指標。人体と外気との熱のやりとり(熱収支)に着目した指標で、人体の熱収支に与える影響の大きい ①湿度、 ②日射・輻射(ふくしゃ)など周辺の熱環境、 ③気温 の3つの要素を踏まえて算出される
- 事業者は作業場所に、WBGT指数計を設置する等により、WBGT値を求めることが望ましい。特に、熱中症予防情報サイト等により、事前に基準を超えるWBGT値が予想される場合は、WBGT値を作業中に測定するよう努める必要がある
- 把握したWBGT値が、WBGT基準値を超え、又は超えるおそれのある場合には、冷房等により当該作業場所のWBGT値の低減を図ること、身体作業強度(代謝率レベル)の低い作業に変更すること、WBGT基準値より低いWBGT値である作業場所での作業に変更すること等の熱中症予防対策を作業の状況等に応じて実施するよう努める必要がある
参考:WBGT値(暑さ指数)について
環境省「熱中症予防サイト」
https://www.wbgt.env.go.jp/wbgt.php
参考:「職場における熱中症予防基本対策要綱」について
厚生労働省「職場における熱中症予防基本対策要綱」
https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/000633853.pdf
上記まとめの通り、事業者によるWBGT値を活用した熱中症予防対策は努力義務となりますが、実際に熱中症による死傷者が発生してしまった場合、欠員による生産性の低下や、労働組合や従業員関係者との紛争、訴訟の発生など、企業イメージが大きく毀損する可能性があります。熱中症対策は積極的に取り組みたい事項といえるでしょう。
製造業における熱中症対策の問題点
さて、熱中症の発生は、建設業と製造業において多く発生しているようです。
建設業において熱中症の発生が多いのは、夏場、屋外での作業時に集中的に発生することが理由と考えられます。
一方、製造業は屋内での作業が想定されますが、製造している製品によっては、生産機械設備の稼働などによる熱が発生し、その換気排熱も難易度が高い業種の工場において多いことが想像されます。
製造業の中分類別の発生の統計は、厚生労働省の関連サイトでは確認できませんが、個別の発生事例としては、以下の業種について記載が散見されます。
- パン、菓子製造業
- 非鉄金属精練・圧延業
- 機械(精密機械を除く)器具製造業 … 塗装工程の事例
- その他の金属製品製造業 … 板バネ製造工程の事例、給湯器製造工場の事例
参考:厚生労働省「職場のあんぜんサイト」
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/#
また、上述の通りWBGT値が上回りがちな環境で、その低減や代替作業場所の確保も困難な場合、作業者ごとに身体作業強度(代謝率レベル)をモニタリングすることで熱中症を防止する必要がありますが、以下のような問題があります。
- 高温多湿などの事情で、監視カメラなどによる設置やモニタリングが難しい
- 無線LANなどのネットワークカバー範囲に制約がある
業務用スマートウォッチによる熱中症対策例
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「Safe-W®」は、以下のような特長によって、製造業における熱中症対策を強力に支援します。
- 温湿度センサーで計測したWBGT値と、作業者が身に着けたスマートウォッチから取集されるバイタルデータをモニタリングできます
- スマートウォッチが暑さ、バイタル、運動量のアラートを発信するので、作業者は普段と違う状態の気付きを得て休憩をとるなどの対策できます。
- 無線LANなどのネットワークが利用できない場合、スマートウォッチ同士がBLE通信によって連携するので、メンバー同士で安全を確認できます。サイロの中・地下作業など、電波の悪い環境でも安全対策へ貢献します
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※「Safe-W®」はミライアプリ株式会社の登録商標です。