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デジタルツインのメリットとは?DX推進のためのIoT/ITの活用

製造業で注目を集めているデジタルツインとは? DX推進のためのIOT/ITの活用

製造業のDX推進のための手立てとして期待されている「デジタルツイン」。IoTとの親和性の高さからも注目されるこのテクノロジーは、どんな分野において、どのようなメリットをもたらすのでしょうか。

本記事では、デジタルツインの必要性に加え、その活用に向けて取り組むべき打ち手についてご紹介します。

製造業で注目を集めているデジタルツインとは?

IoTの発展に伴い、製造業の分野で「デジタルツイン」が注目を集めつつあります。デジタルツインとは、フィジカル(物理)空間の情報を瞬時に集め、ほぼリアルタイムでサイバー(仮想)空間にその対象物や環境を再現する概念。自動車などの製品単体の分身を仮想空間につくり出したり、その製造工程をデジタル上でシミュレーションしたりすることが可能です。

こうした技術が普及し始めたきっかけが、前述のIoTやセンシング、ネットワーク技術の進化にあります。設備機器などに取り付けられた様々なセンサーを活用し、これまでは取得することのできなかった大量のデータを瞬時に集められるようになったことで、サイバー上にもう一つの現実世界をつくり出すことが可能になったわけです。

では、デジタルツインを活用することで、製造業各社はどのようなメリットを得られるのでしょうか。

デジタルツインのメリット

デジタルツインを活用するメリットとしては、主に次の3つが挙げられます。

メリット1 製造体制の最適化とリードタイムの短縮

1つ目は、最適化や合理化を進められる点です。デジタルツインを活用すれば、いまこの瞬間に製造現場で起きている出来事や状況を高い精度で可視化することができます。

また、取得したデータを元にリアルタイムで人員の稼働状況や業務負荷のデータを収集・分析することで、最適なスケジュール、最適な人員を配置して製造プロセスを最適化することも可能になります。結果として、製造工程全体のリードタイムを短縮にも貢献します。

メリット2 コストの削減

2つ目は、材料費や人件費といった全般的なコストの削減です。たとえば、試作品を製作する場合にデジタルツインを利用すれば、仮想空間で物理空間と同じ試作品を再現できます。仮想空間上で各種シミュレーションも行うことができるため、試作品の数を減らすことができ、製造工程の省力化とコスト削減が可能になるのです。

また、限られた時間でより多くの試作を作ることにもつながり、製品価値の向上にもつなげることができます。

メリット3 出荷後のフォローが容易

3つ目は、アフターサービスや問題発生時の原因分析の容易さです。たとえ製品の出荷後であっても、その状態をデジタルツインによって確認することで、アフターサービスを適切なタイミングで行うことができます。

また、製品の問題発生時にも力を発揮します。デジタルツイン上に蓄積された過去製品の製造工程、出荷後の不具合等に関するデータをすぐに取り出せば、製品不具合の問題点が設計なのか、想定外の使用方法によるものなのか、高い精度で検証することが可能になるでしょう。

こうしたメリットを踏まえ、単なるデータ活用や業務効率化にとどまらず、DX推進にデジタルツインを活用する動きが広まろうとしています。

DX推進のためにIoT/ITの積極的活用を

製造業のDX推進のためには、IoT/ITを積極的に活用し、まずは企業のあらゆる情報をデータ化することが重要です。特に、集めたデータを視覚的に、3Dの視点から確認できるデジタルツインは、ビッグデータを効果的に活用する技術の一つといえます。

たとえば、設計段階で3Dデジタルツインを活用すれば、「3D設計の結果を紙図面化する」といったボトルネックを解消し、スマートフォンやタブレット端末上で3D組み立て図を確認することができるようになります。また、3Dデジタルツインに組立手順や製造部品表の情報を入れれば、現場の作業員が3Dアニメーションを参照しながら組み立てを行うことも可能になるでしょう。

製造業のリモートワークを考える上でも、デジタルツインが有効です。生産設備のIoT化を行い、現地現物をそのまま3Dスキャンしてしまえば、工場設備を遠隔地から確認することもできるようになるのです。また、従来のシミュレーションとは異なり、リアルタイムのデータに基づいた調整を行うことができるため、製造現場の働き方を大きく変える可能性を秘めています。

こうしたデジタルツイン活用を見据える上でも、まずは現場のあらゆる情報をデジタル化することが求められています。

DXは解決できる現状課題から取り組むことが重要

急速に注目を集めているデジタルツイン。しかし、現場への導入を検討する上では、デジタルツインを自社でどのように活用できるか検討し、慎重に準備を進める必要があります。

DX実現は一朝一夕では叶いません。だからこそ、第一歩目として現場の声を聞きながらデータの一元管理を推し進め、現場に潜む課題を一つずつデジタルの力によって解決し、着実にデジタル変革を進めていくことが大切です。

そこで初めに検討すべきは、生産管理システムを用いた各種データの統合です。設計の仕様変更や納期、製造進捗などの情報共有が煩雑になりがちな現場では、営業や設計、資材、製造現場から経理まで、各部門のデータを一元管理することが欠かせません。そうしたデータ活用の土壌をつくることが、製造業のDXを実現するための第一歩になるのです。

大興電子通信が提供するリアルタイム統合管理システム 「rBOM」は、どの部門からでもリアルタイムな情報を得ることができる一元管理を実現するための仕組みです。部門単位でのバラバラな情報管理を解消し、「設計図面中心のモノづくり」を「部品表中心のモノづくり」へとシフトさせることで、重要事項の伝達漏れ・遅れの要因を解消。QCD向上や業務効率化・コスト削減など様々なメリットをもたらします。

DX推進のための第一歩として、まずは生産管理システムの刷新から検討してみてはいかがでしょうか。


>DX推進の土壌をつくるリアルタイム統合管理システム 「rBOM」
リアルタイムな進捗・原価把握を実現する生産管理システム「rBOM」については、下記よりご覧いただけます。

カタログ 製品の詳細


 

田幸 義則
この記事を監修した人
入社後15年間、長野支店にてシステムエンジニアとして活動。
運送業、倉庫業のお客さまを中心に担当し、業務システム構築からインフラ環境構築等の経験を積む。
その後、製造業のお客さまも担当し、rBOM導入のプロジェクトにも関わるように。
16年目に現部門に異動し、rBOM全国支援の担当者となる。
現在はrBOMだけではなく、製造業全般のソリューション提案を手掛けている。
料理が趣味、これからお菓子作りにも挑戦しようか迷っている。
大興電子通信株式会社
ビジネスクエスト本部
インダストリー推進部
田幸 義則
【事例で学ぶDX】BOMを統合して経営を強化、コストダウンへ

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