DCAPは 、「Do→Check→Action→Plan」と、内容はPDCAと同じですが、順序が異なります。まず実行から始めることでビジネス環境の変化に対応できます。
今回は、製造業におけるDX推進の問題を解説しながらPDCAサイクルが適していない要因や、DCAPを用いたDX推進方法をご紹介します。
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製造業のDX推進における問題
近年、DX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉が広がっています。製造業において、DXは業務効率化、市場優位性を確保する手段として期待されています。
しかし、実際にDXに取り組めている製造業は少ないのが現状です。本章では、なぜ製造業においてDX推進が進んでいないのかをご紹介します。
デジタイゼーション、見える化といったDXの第一歩が踏み出せていない
製造業がDXを推進するためには、デジタイゼーションが重要です。デジタイゼーションは特に、現場業務の見える化が求められます。
しかし、製造業ではデジタル化が進んでいないのが現状です。原因としては、業務の属人化や社内のデジタル化に関する理解不足、デジタル化に対応できる人材不足が挙げられます。
DX推進には従来のフレームワークであるPDCAが適していない
多くの製造業では、先程説明したDX推進の課題を解決するために、PDCAサイクルによる生産や業務改善を行おうとしています。
しかし、このPDCAサイクルは、DX推進におけるフレームワークとしては適していません。PDCAサイクルは事前の計画が必要ですが、激しいビジネス環境の変化に対応しなければならないDX推進には、スピード感が合いにくいためです。DXを推進する際には、必ずPDCAサイクルに当てはめて考えるのではなく、必要に応じてPDCAサイクルで進めていくという柔軟な考え方が望ましいでしょう。
では、なぜPDCAサイクルはDX推進において古いといわれるのか次章でご紹介します。
PDCAサイクルの考え方が古いといわれている理由とは?
PDCAサイクルが時代遅れといわれる理由には、柔軟な対応がしにくいこと以外にどんなことが挙げられるのでしょうか。
新しいアイデア、視点を取り入れにくい
PDCAサイクルは、過去に実行した業務や事例をもとに評価して計画し、改善します。
つまり、成功体験、もしくは失敗体験といった過去の経験がもとになるため、前例的になりがちです。また、ベテランの経験値で判断・評価されてしまい、新しいアイデアに取り組むことができません。
しかし、DXは過去の事例になぞるのではなく、デジタル化を通じて新たなビジネスの価値創造を行うことを意味するため、前例をもとにするPDCAのフレームワークを用いると推進できなくなってしまいます。
以上のことから、PDCAサイクルのプロセスでは、DX推進に必要な新しいアイデアや視点を取り入れづらいことが分かります。
Plan(計画)のみで終わってしまうことがある
PDCA サイクルにおいてありがちなこととしてPlan(計画)で完璧を求めるあまり、時間をかけすぎてしまうことがあります。
また、仮説や目標を高く見積もってしまい、Do(実行)のフェーズに進めないことや、Do(実行)のフェーズに進めたとしても一度の実践で取り組めなかったり、Do(実行)までに多くの時間を要してしまったりします。
そのため、DX推進でPDCAサイクルを行うと、Plan(計画)のみで終わってしまうことがあり、DX推進には不向きです。
改善までに時間がかかってしまう
PDCA サイクルでは、綿密なプランニングと同時に、評価や改善にも十分な時間をかけていくことが必要です。一方で、DX推進や顧客のニーズの変化や競争が激しい現代に求められるのは、スピーディーさです。そのため、スピーディーさが求められる中、日々の業務を行いながら、PDCA サイクルの活動をじっくり回していくのは現実的ではないといえます。
このようにPDCAサイクルは新しい視点を取り入れにくかったり、計画のみで終わってしまったり、改善までに時間がかかってしまうため、スピーディーさが求められる現代においては適していません。
次章では、このようなPDCA サイクルに変わる新しいサイクル「DCAP」を紹介します。
PDCAサイクルに変わる新しいサイクルDCAP
ここでは、DCAPについて紹介します。
DCAPとは
DCAPとは以下を意味します。
・Do(実行)
・Check(評価)
・Action(改善)
・Plan(計画)
このように、内容はPDCAサイクルと構成する要素は変わりませんが、入れ替わった要素の順番が重要です。
まず、Check(評価)意識したDo(実行)をスピーディーに実行します。その後、試行錯誤を繰り返すCheck(評価)、Action(改善)を行い、Plan(計画)作っていくのが効果的です。
なぜ、DCAPが製造業のDX推進に適しているのでしょうか。以下で解説します。
DCAPがなぜ、製造業のDX推進に適しているのか
先述したように、製造業のDX推進における課題点は、DX推進の第一歩であるデジタル化に踏み出せていない点です。
そのため、まずはDCAPサイクルによって第一歩であるデジタル化をDo(実行)し、情報を見える化することが重要です。その後、デジタル化によって蓄積されたデータをもとに分析や改善点を洗い出すCheck(評価)、Action(改善)、その結果をもとにPlan(計画)を行い、試行錯誤を繰り返しながらDX推進を行っていきましょう。
DX推進にはまずDo(実行)を最初に行おう!
製造業のDX推進を行っていくために、既存のPDCA サイクルの考え方を改めましょう。そして、DCAPサイクルのフレームワークにて、デジタイゼーション、業務の見える化といったDPCAサイクルのDo(実行)を進めていくことが重要です。
DX推進で検討したい8つのポイントを以下で紹介していますのでぜひご覧ください。

企業力強化に効く8つのデジタル活用場面
また、製造現場におけるデジタル化の1つとしてペーパーレス化が挙げられます。しかし、デジタル化を推進するうえでは、現場にも負担がかかることから、できるだけ使い慣れた方法を活用することが重要です。そこで、使い慣れたExcelで、現場のDo(実行)のデジタル化を実現できるソリューション「XC-Gate」を紹介します。
「XC-Gate」は、「報告書」「点検表」「チェックシート」「日報」など、普段から利用しているExcelを使って電子帳票を作成できるWebシステムです。帳票を電子化・現場データを収集し、現場の作業効率化や改善を実現します。
「XC-Gate」について以下で詳しく解説していますのでぜひご覧ください。
Do(実行)のデジタル化を実現する
現場帳票の電子化ソリューション「XC-Gate」