購買管理

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購買管理をエクセルで効率化!管理のポイントやシステムとの違いも解説

購買管理における煩雑な作業の負担を少しでも減らし、日々の業務をスムーズに進めるためには、作業の効率化が鍵を握ります。今回の記事では多くの企業にとって身近なツールであるマイクロソフトエクセルを用いて、購買管理を効率化する方法をご紹介します。

エクセルで購買管理をするメリット・デメリットから管理のポイント、購買管理システムとの違いにも触れます。この記事を読むと、エクセルを使った購買管理の方法がわかるので、ぜひ参考にしてください。

エクセルで購買管理:メリット・デメリット

企業の運営において、調達や購買管理の役割は極めて重要です。ただ、多岐にわたる調達・購買を管理ツールを使わずに進めることには限界があります。まず視野に入れると良いのはエクセルを用いた管理です。

このセクションでは、購買管理の基本的な流れから、エクセルで管理する際のメリットとデメリットについて解説します。

購買管理の基本的な業務の流れ

購買管理は資材を買い付けて、担当部署に届けるまでのプロセス全般を管理する業務です。具体的な業務内容は以下の通りです。

  1. 取引先を選定する
  2. 見積を依頼する
  3. 契約を結ぶ
  4. 商品を発注する
  5. 納期を管理する
  6. 商品の検品

購買管理部門では、商品の品質や必要量、タイミング、適正な価格にまで注意を払いながら業務を遂行することが求められています。企業が購買管理を適正化すると、コスト削減や利益向上が期待できます。

エクセルで購買管理を行うメリット

エクセルを使った購買管理は、比較的低コストで実践できることが魅力。また誰にでも簡単に管理できたり、数式を使って計算を簡略化できたりすることもメリットです。ここではエクセルで購買管理を行うメリットについて解説します。

誰でも簡単に管理できる

エクセルは多くの企業ですでに使われている表計算ファイルです。基本的な操作ができる人は多く、誰でも扱いやすいこともメリットの一つです。

さらにテンプレートを利用することで、あらためて関数を設定せずとも、すぐに使える利点もあります。

数式を使って効率化できる

エクセルの関数やマクロを使用すると、購買管理の作業はより効率化できます。適切な関数を設定すると自動計算により、資材や原料の保管状況について正確に把握できます。

さらに、在庫が一定量を下回った際に通知で知らせるアラート機能の利用も可能です。アラート機能を使うと、事前に発注などを行い在庫切れを防げるなど、業務の精度を高めつつ時間の節約ができ、業務がスムーズに進められます。

低コストで使用できる

エクセルは比較的低コストで使用できることもメリットの一つです。この点は特に購買管理にかけるコストを抑えたい場合に、大きな利点につながります。

社内での共有がしやすい

エクセルは社内での情報共有がしやすいのもメリットです。共有フォルダにファイルを保存すると、共有フォルダにアクセス権限があるあらゆるデバイスからファイルの閲覧や編集が可能です。

簡単にアクセスでき最新の情報を共有できるので、部署間で資材の保管状況や納期、調達数量などを共有する際に便利です。

エクセルで購買管理を行うデメリット

エクセルを使った購買管理は誰でも使いやすい反面、ヒューマンエラーや製品数増加による管理の煩雑化などのデメリットもあります。他にも、状況把握のしにくさや処理速度の問題も発生します。ここではエクセルで購買管理を行うデメリットについて解説します。

ヒューマンエラーが発生する

エクセルは社員が簡単に扱えるのがメリットですが、一方、データは手入力になるため人的ミスのリスクがあります。

例えば誤入力による上書きや、データ改ざんのリスクの可能性が考えられます。バックアップをとっていない場合には復旧が難しく、編集履歴が見られる設定にしてあったとしても責任の所在を明らかにするのは困難です。ヒューマンエラーが起きた場合、その対応に大幅な工数を取られる可能性もあるのが、エクセルで購買管理をする最大のデメリットと言えます。

製品数が多いと管理が難しくなる

製品数が多くなると、すべてをエクセルで管理するのが難しくなるのもデメリットとして挙げられます。製品数が少ない場合、エクセルでの購買管理もスムーズです。

しかし、製品数や管理する部門、拠点の数が多くなると入力に時間がかかるだけでなく、データを見つけるのに手間がかかることで情報を把握しづらくなり、適切な購買管理が行えなくなる可能性があります。

担当者が入力するまで状況把握ができない

エクセルで購買管理をする場合、リアルタイムでのデータ更新や状況把握が難しいというデメリットがあります。エクセルで作成された管理表は、その性質上、担当者が手作業で情報を入力する必要があります。

この作業は担当者の在席時にしか行えないため、担当者が不在であったり、予期せぬ休暇を取得したりした場合、情報の更新作業と情報把握が遅れます。

データが多くなるとパソコン動作が重くなる

エクセルではファイルごとにデータが蓄積されるため、データが増えると処理速度が低下するデメリットも考えなければなりません。パソコンの動作が遅くなるとファイルの展開に時間がかかり、作業効率が落ちます。

パソコンのスペックによっては画面が固まったり、電源が落ちたりする可能性も否めません。管理業務が煩雑になりデータ量が膨大になる場合は、エクセルでの管理は避けた方が良いと言えます。

エクセルで購買管理:3つのポイント

購買管理にエクセルを効果的に用いる場合は、いくつかのポイントを押さえる必要があります。このセクションでは、エクセルで購買管理をする際に気をつけたいポイントを3つご紹介します。

データのバックアップ

エクセルで購買管理をする場合、データの安全性を高めるためにも定期的なバックアップが欠かせません。購買データには取引先の情報、発注履歴などの重大な情報が含まれており、データの安全性を確保することはとても重要です。

パソコンの故障や不具合、あるいは人的なミスなどによるデータの破損や紛失があった場合、データのバックアップがなければ復旧は困難です。万が一に備え迅速に復旧できる体制を整えておくことが、エクセルで購買管理をする際には必須です。

適切なユーザー管理

複数のユーザーがエクセルの購買管理に携わる場合は、適切なユーザー管理が必要です。ユーザーごとに権限を設定し、アクセスできる範囲を明確にしましょう。

そうすることで、誤ってデータを上書きしたり、不要な変更を加えたりするリスクを防げます。また、購買データは企業にとって重要な情報の一つ。外部流出を防ぐためにも、ユーザー管理を徹底することが重要です。

ルールを決めて共有

エクセルで購買管理をする場合は、予め使用する際のルールを明確にする必要があります。データの更新頻度やバックアップの取り方、その他エクセルの使い方に関する細かなガイドラインを作成しましょう。

ルールを設定すると、データの整合性を保ち、ユーザー間での情報の齟齬を防げます。また、新しいメンバーがチームに加わった際にも、すでに確立されたルールがあることでそれに従い作業に取り組むことが可能です。

このようなルールを事前に設けずにエクセルで購買管理をすると、担当者が誤った方法でデータを入力したり、入力方法を忘れてしまったりするミスが発生する可能性もあります。運用を始める初期段階で、詳細かつ明確なルールを決めておくことが重要です。

エクセルで購買管理:便利機能

エクセルを使用し購買管理をする際に覚えておくべき機能を3つご紹介します。これらの機能を使うと、より作業の効率化が図れ、業務改善にもつながります。

関数を活用

エクセルに搭載された400以上の関数を適切に使用すると、計算を自動化して作業を効率化できます。以下、購買管理において活用しやすい関数をご紹介します。

VLOOKUP関数

縦方向にデータを検索する際に使用する関数です。ある表の特定の列で指定した値を見つけ出し、その値に対応する別のデータを取得可能です。

購買管理においては、予め設定した商品コードや取引先コードを入力することで、商品や企業の詳細な情報を参照できます。

IF関数

条件に応じて異なる処理を行うための関数です。この関数により、データの分析や処理の自動化を進められます。

購買管理においては、IF関数を使用することで在庫の有無や価格などの条件に応じ、自動で結果を反映させることが可能です。

SUMIF関数

特定の条件を満たすセル内の数値を合計する関数です。例えば、商品の売上だけを計算したい場合などに活用できます。

購買管理においても、設定しておいた型番を選択することで商品の在庫数などを自動計算できます。

その他にも、INDIRECT関数やROUND関数など、知っておくと便利な関数も存在しますので、エクセルで管理表を作成する場合にはぜひ確認してください。

ピボットテーブルを活用

ピボットテーブルとは、エクセルにおけるデータ集計機能です。この機能を使うと、膨大なデータを数クリックで簡単に集計し、さまざまな角度から分析できます。

例えばピボットテーブルを使用し、受注数や受注価格などを確認したり、過去のデータを参照することで価格の推移を把握したりすることが可能です。

グラフを活用

エクセルのグラフ機能を使うと、膨大な数値データの傾向をつかみやすくなります。

エクセルにはさまざまなグラフの種類が用意されており、それぞれのデータの性質に応じて適切なグラフを選択することが重要です。全体のシェアを表示する際には円グラフ、価格の推移を表すには折れ線グラフ、カテゴリーごとの比較を明確にするには棒グラフが適しています。

基本的なグラフ以外にも、積み上げ棒グラフや散布図、レーダーチャートなどさまざまなものが豊富に用意されています。

購買管理システムとの比較

購買管理システムは、従来エクセルなどで行なっていた調達や購買に関する作業をさらに効率化するものです。このセクションでは、システム導入のメリットとエクセル管理との違いについて解説します。

システム導入のメリットとエクセルとの違い

購買管理システムを導入するメリットは次のとおりです。

  • 購買の適切な管理が可能になる
  • ヒューマンエラーを防止できる
  • 過剰な発注、二重発注の予防が可能

それぞれ詳しく解説します。

購買の適切な管理が可能になる

エクセルを用いた購買管理においては、担当者がデータを入力し、更新する必要がありました。しかし、購買管理システムでは、自動で在庫の変動を追跡し、リアルタイムで在庫情報も更新されます。

さらに、システムによる購買管理のメリットは単なる更新の自動化だけではありません。過剰在庫や在庫切れのリスクを最小限に抑えるための予測分析機能を備えている場合もあるのでチェックしましょう。

ヒューマンエラーを防止できる

システムを導入すると、データの一元管理ができるうえに、入力ミスや計算間違いなどが大幅に削減できます。一方でエクセルの場合は元データやファイルを誤って変更することで大きなミスにつながるケースがあり、その場合データの破損を復旧する必要があります。

またシステムを導入すると、アクセス制御や承認プロセスを通じ、データ改ざんや流出のリスクも未然に防ぐことも可能です。

過剰な発注、二重発注の予防が可能

エクセルでは在庫の見落としや誤入力により、不要な発注が行われることがあります。しかし、システムでは在庫の適正量を自動で算出し、必要なときに必要な量のみを購買できるよう支援します。

上記のメリットは、購買管理の効率化はもちろん、コスト削減や業務の正確性向上にも直結すると言えます。

システム導入のデメリット

購買管理システムの導入にあたり、操作に慣れる必要があることがデメリットとして挙げられます。これまでのエクセル管理から切り替えなければならないため、事前に研修を行ったり、マニュアルを作成したりする時間と手間が必要です。

また、社員が操作に慣れるまではかえって業務効率化が悪くなる可能性もあります。導入マニュアルやカスタマーサポート体制が整った購買管理システムを導入すると、従業員がシステムに早く馴染めます。

システム選びの注意点

購買管理システムを導入する際には、どのような点に気をつけたら良いのでしょうか。ここでは、システム選びの際に確認するべき点を解説します。

コスト面の確認

コストを適切に抑えるためには、導入前の比較・検討が不可欠です。どのような課題をシステムで解決したいのかといった目的を明確にすることで、過剰な機能や不要なコストの削減が可能です。

不要な機能が多いほどシステムは複雑になり、結果的にコストの増加だけでなく操作の煩雑化も招くことになります。自社にとって必要な機能を備えたシステムの導入を検討しましょう。

他部門との連携の確認

システム導入の際には、単純な機能の豊富さだけでなく、他部門とのスムーズな連携が取れるかどうかにも着目する必要があります。エクセルでの管理は部門間の情報共有に限界がありますが、相互にリアルタイムで情報を共有できるシステムは重要な役割を果たします。

他部署と共通のシステムを導入する、あるいは異なるシステムであっても連携が取れるかどうかの確認は必須です。

得意業種の確認

購買管理システムは業界に特化したものから、幅広い業界で使用できるものまで種類豊富です。自社の業界に最適なシステムを選ぶためには、各サービスが得意とする分野をしっかりと確認しましょう。

自社で扱うのが少ない製品数ならシンプルなシステムを、扱う製品数が多いのであれば詳細な設定が可能なシステムを選ぶのがおすすめです。

エクセルを使った購買管理には限界がある

この記事では、エクセルを活用した購買管理のメリットとデメリットを詳しく解説しました。しかし、エクセルは手軽に始められるため、多くの企業にとって購買管理を簡単に効率化できるツールとなるはずです。

しかし、大量のデータや複雑な処理を要する場合には、エクセルでの管理では不適切な場合もあり、その際は専用システムの導入も視野に入れることをおすすめします。

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