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副資材(MRO)とは?稼働ロスを発生させない管理の重要性

副資材

副資材は工具や工作機械のメンテナンス・修理・操業に必要な備品や消耗品を指します。製品に必要な原材料とは違い、生産に直接関係するわけではありませんが、欠けているとスムーズに作業ができなくなる物も副資材に含まれます。設備停止や稼働ロスによる機会損失をまねかないために、副資材の管理は適切に行う必要があります。

ここでは、副資材に該当する品物の例と管理に最適なMRO管理についてをご紹介します。

副資材(MRO)とは

副資材は部品や材料以外の、製造の過程で必要になるが製品にはならないものを指します。最近では副資材や、副資材の発注を効率化するシステムをMaintenance(メンテナンス)、Repair(リペア)、Operations(オペレーション)の頭文字をとった、MROと呼ぶこともあります。

副資材は薬品やガス、マスキングテープなどの消耗品が副資材です。サービス業や商業では消耗品のほか、設備部品が対象になります。具体的な品物の例としては次のようになります。

日用雑多用度品(消耗品)

マスク、ゴーグル、軍手、梱包材、サンドペーパー、清掃用モップ、事務用品など
保全用品 パイプ、鉄板、釘など
設備常備品 電気部品、パッキン、ブレーカなど
油脂 ガス、オイル、塗料など
補修材 ボンド、ペーストなど
工具 測定器具、ドリル、エンドミルなど

副資材の定義は企業によりさまざまです。基本的には、生産に直接関係する原材料や部品などの直接材以外の工具や装置保安資材や消耗品といった間接材が副資材として扱われます。

また、工場・現場だけでなく、オフィスで使う事務用品も副資材として分類され、単価、在庫を管理します。

副資材(MRO)の削減は難しい

企業が利益を伸ばすためには、材料費の無駄を減らし原価を削減することが重要な方法のひとつです。

直接材料費は削減のための取り組みが比較的行いやすいですが、副資材の削減は難しいとされています。副資材は資材そのもののコスト以外にも発注のためにかかる時間的コストが増大になりがちなため、原価を削減するためには副資材の削減も重要です。

副資材の削減が難しい理由は主に3つあります。1つは、多品種少量発注であり、各部門がそれぞれで発注することが多く、発注先も多岐にわたるという特徴にあります。直接材料費はまとまった量を一気に発注できるため、専門の部門が一元管理し、特定の発注先に大量発注することが可能ですが、副資材ではそうはいきません。

2つ目の理由は、副資材の発注にかかるフローが属人的になりやすいという点です。必要なときに必要な部門が発注するので、効率化が進まず、間接労務費が増大しがちです。

最後の理由は、そもそも副資材で無駄が発生しているという課題が現場に認識されていないことが挙げられます。少量発注する際は、その時間自体は短く済み、体感として間接労務費が増大していると感じられないためです。

副資材にかかる費用を削減するには、直接材料費と同じように一元管理する、各部門で発注する場合でも発注方法をマニュアル化するなどの方法が挙げられます。

また、購買管理システムを導入し、副資材の管理をシステムで一元管理することも効果的です。購買管理システムでは多品種少量発注などの複雑な発注を大幅に効率化できるほか、人為的なミスを減らし、副資材の在庫を見える化して効率の良い補充を可能とします。

以下の記事にて詳しくご紹介しているので、併せてご参照ください。

副資材を管理するMRO管理とは

副資材は製造に必要な主資材と比べると価格も安く、製品の品質に直接的に影響するわけではありません。
ただし、1つでも欠けると設備停止や稼働ロスといった製造工程に大きな影響を与える可能性があります。そのため主資材同様に、適切な管理が求められます。

なお、副資材が不足することによる稼働ロスは、削減の問題と同様、現場で課題だと捉えられていない可能性があります。例えば、電気設備や機器などの設備常備品やドリルなどの工具類はいずれ消耗して破損するものであり、仕方ないものとして飲み込まれている可能性があるのです。

しかし、これらの予備品を用意していないことで生まれる稼働ロスは確実にコスト増の原因となります。現場が副資材の不足による稼働ロスの重要性を把握するほか、副資材ごとのMTBF(平均故障間隔)を伸ばすなどの対策を取ることも大切です。

副資材に該当する補助材料や消耗品の年間購入額、品目点数、保管場所を把握し、自社に最適な管理方法を検討しましょう。

モノの管理

現場と倉庫、オフィスのどこで誰がどのように管理しているのかを把握することが管理の第一歩となります。モノづくりの現場では、予備品と呼ばれる機械や設備のスペアパーツが現場に散在しているケースがあります。未使用新品の予備品は副資材倉庫で、倉庫から出した予備品は現場の保全室で保管するなど、管理の状況を明確にしてください。ただし、そのためには管理者だけでなく、使う側の意識も大切です。

次に挙げる予備品を管理する目的を理解し、使用量を正確に共有できるようにしましょう。

【予備品管理の目的】

  • 予備品不備による設備停止や稼働ロスといった休止損失を避ける
  • 必要なときに予備品をすぐさま使えるように、誰がどこで補充を行うのかなどのフローを整える
  • 消耗量を把握することで、設備、機器の弱点を見つける
  • 消耗量を確認し、予備品品質の改善を図る
  • 計画的に発注することで過剰在庫を防ぎ事務費を削減する
  • 在庫管理を適正に行うことで維持費を削減する

発注管理

副資材は多品目を不定期に仕入れるため、合理化が進みにくいという問題がありました。専門の部門を設置するほどの発注量でもないため、発注のためには誰かが業務を中断して対応していたケースもあると思います。担当者がいないため、数量や発注先の確認に非効率な対応をしていた職場もあるかもしれません。

現在はグループウェアや生産管理システム、購買管理システムの導入が一般化され、副資材調達のシステム化も進んでいます。そのようなシステムの活用により、単価、数量、発注先の情報を即座に取り出し利用することで、発注にかかる時間も短縮されます。

副資材にかかるコストを抑えるために、新しい発注先を試してみる場合でも、調達手段をマスタや過去の実績から簡単に登録できます。試してみた発注先の対応、品質が良かったら継続しての発注も楽になりますし、以前までの発注先に戻す場合も履歴を参照して簡単に対応可能です。

生産管理システムを導入することによるメリットや選び方については、以下の記事で詳しくご紹介していますので、こちらも併せてご覧ください。

副資材(MRO)も会社の利益に直結している

副資材は主資材のように、製品に加工するわけではありません。しかし、会社経営、安定した稼働・製造のためには欠かせない費用です。管理が曖昧になっていると、稼働ロスが発生する可能性もありますし、逆に過剰在庫となる可能性も考えられます。

適切なタイミングで、必要な量を、適正な価格で仕入れるためには副資材の管理も重要です。副資材は不定期に発生する仕事ではありますが、円滑に業務に取り組むために管理体制を見直ししてみてください。

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野田 隆志
この記事を監修した人
電子契約、EDIのソリューションを拡販する営業部長を長年担務し、電子商取引に精通したスペシャリストとして活躍。
様々な業界のお客さまに対して電子契約のコンサルティングからシステム提案までを行い、お客さまの課題解決に大きく貢献している。
直近では市場のニーズが高まっている電子契約システムに関するWebセミナーの講師なども行っている。
大興電子通信株式会社
ビジネスクエスト本部
ICTソリューション推進部 部長
野田 隆志

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