働き方改革

導入企業が急増しているRPAツールとは?最低限知っておきたい基礎知識

RPAとは、さまざまなPC業務を自動化できるソフトウェアです。業務の運用方法や従業員の構成、一人ひとりの従業員の仕事内容などを大きく変えるものとして注目されています。

この記事では、RPAの概要から機能・特徴、メリット・デメリット、導入方法まで、把握しておきたいRPAの基礎知識をご紹介します。

RPA/デジタルレイバーとは

RPAは「Robotic Process Automation=ロボティック・プロセス・オートメーション」の略で、バックオフィスなど決まったパソコン操作の多い業務をロボットにより自動化するテクノロジーです。

人間の業務を代行する特徴から、デジタルレイバー(仮想知的労働者)とも呼ばれています。RPAを導入することで業務を自動化・効率化できることに加え、RPAと人間との役割分担により人件費の削減等のコスト削減が期待されています。

RPAを導入している業界は幅広く、金融業界や小売業界、コンサルティング業界などさまざまです。著名な企業では「NASA」や「Google」、「General Motors」などの海外企業が導入しているほか、国内でも導入企業が急速に増えています。2017年の調査では、国内企業の14.1%がRPAを導入済みとの結果も報告されています。

日本は2060年までに国民の約2.5人に1人が65歳以上の高齢者になると予測されており、多くの業界で人材不足が懸念されています。不足する労働力を補う手段として、RPAの活用は非常に有効です。

RPAにできること、RPAならではの特徴

ここでは、RPAで自動化できる具体的な業務内容やRPAならではの特徴ついてご紹介します。

RPAにできること

RPAが得意とする作業は、主に以下4点です。

  • 決まったルールに従って繰り返す作業
  • Excelの表データなど構造化されたデータを処理する作業
  • 3人以上のリソースを求められる作業
  • 人為的なミスが起こりやすい作業

これらの作業を実際の業務に落とし込んで考えると、RPAは具体的に以下のような業務の自動化に適しています。

財務・経理業務

  • 請求書の処理や売掛金、買掛金の仕訳
  • 財務レポート作成

データ分析

  • 過去データの分析結果を元にした受発注業務
  • アンケートのデータ入力作業と集計

人事業務

  • 従業員の勤怠管理、給与計算、各種申請の処理
  • 派遣やパート、アルバイトの雇用管理

顧客対応

  • Webサイトの問い合わせフォームに対する自動応答
  • メールの自動返信

営業活動

  • 競合他社の情報収集
  • 見込み客の洗い出し
  • 顧客情報の取得からシステムへの登録

RPAはすでに蓄積されている情報を自動処理することが得意なうえ、ミスの心配もほとんどないため、作業後の人間によるチェックも容易です。また、従来なら研修を重ねて覚えてもらう必要のある煩雑な作業も、パターン化できる業務に関してはRPAに任せられます。

RPAならではの特徴

RPAならではの特徴には、以下の2つがあげられます。

1.既存システムに影響がない

RPAを使わずにパソコン操作を自動化しようとすると、自動化の範囲が1つのソフトウェア上のみに限定されたり、各ソフトウェアを連携させるためのプログラムを組む必要があったりします。特に後者は既存システムに手を入れる必要があり、専門的な技術が必要です。

しかし、RPAなら画像認識やHTMLタグ、UIタグなどさまざまな方法を用い、既存システムに影響することなく各ソフトウェアを連携させて作業を自動化できます。

2.現場の従業員が主導できる

RPAのロボット作成にはプログラミングに似た要素があるため、あらかじめプログラミングの知識があると素早く操作できるようになります。ただし、プログラミング未経験の従業員でも数週間程度のトレーニングを受講すれば十分に扱えるようになります。そのため、最も業務を理解している現場の従業員が自らRPAツールを選定、試用、運用することが可能です。

RPAのメリット・デメリット

RPAを導入する前に、メリットとデメリットを把握しておきましょう。

メリット

RPAを導入することで得られるメリットは、主に以下6点です。

人件費を抑えられる

企業の経費では人件費の負担が最も多いため、コスト削減を行うには人件費の削減は必要不可欠です。例えば、業務拡大により、月給25万円の派遣社員を新たに50名雇用することになった場合、単純計算で毎月1,250万円の人件費がかかります。

一方、RPAを導入する際にかかるソフトウェア費用は最大1,200万円といわれており、保守費用は初期費用の約10~20%が一般的です。比較すると、RPAを導入した方が新たに50名を雇用するよりも人件費を抑えられることがわかります。

RPA導入により業務内容を一部自動化すれば、自動化により従来の業務が不要となった従業員を他の業務にアサインできるため、新たに雇用する人数を抑えることが可能です。

人材不足の解消

RPAと人間を比較したとき、人間は退職すればノウハウが失われてしまう可能性がある一方、RPAであれば、導入されたプログラムは残すことができます。加えて、24時間いつでも稼働できるうえ、処理速度も人間よりも大幅に早くなります。このような特徴から、RPAには多くの人的リソースを肩代わりできるメリットがあります。

今後ますます労働人口の減少が懸念される日本では、定型業務をRPAで自動化し、人的リソースを別の業務に割くという方法が人材不足の解消法として有効です。

生産性が向上する

人的リソースの多い作業にRPAを導入することで、数人がかりで行っていた作業をRPA1台でこなせるようになるため生産性の向上が期待できます。

人間の場合、長時間同じ作業を続けていると集中力が低下して生産性が下がる可能性がありますが、RPAであれば労働時間に関わらず高い作業精度を保つことができます。ポイントは、RPAに適した作業を見極めることです。

業務の変化にも柔軟に対応できる

業務の変化があったときも、RPAであればルールの書き換えが容易です。業務を支援するITツールはRPA以外にも多くありますが、業務の変化に弱く、変更のための工数が多くかかるケースもあります。

RPAは変化に応じてルールを素早く書き換えられるため、作業ペースを大きく落とすことなくスムーズに新しい業務に移行できます。

リスクマネジメントに優れている

RPAを導入すれば、人為的ミスを未然に防げます。人為的ミスには単純な入力ミスのほかにも情報漏えいなどがあり、特に情報漏えいは一度でも起こせば社会的信頼を失う恐れがあります。さらに人間はそれぞれが考えや意思を持って動くため、時には独断と偏見で物事を判断し、コンプライアンス違反などのトラブルが起きる可能性も考えられます。

RPAであれば、それらのリスクを最小限にすることが可能です。

新たなビジネスチャンスが生まれる

業務の自動化により、それまで事務作業やルーティンワークにあてていた人的リソースが解放されます。空いた人的リソースをより専門性の高い作業にあてれば、製品・サービスの品質を上げることが可能です。経営戦略を練る時間にあてることで新たなビジネスチャンスが生まれるなど、RPAの導入は企業を成長させるきっかけにもなります。

デメリット

メリットの多いRPAですが、デメリットもゼロではありません。以下、RPAを導入する際に見落としがちなデメリットを2点ご紹介します。

現在のRPAツールは発展途上

RPAは現段階では成熟したツールではありません。現在出回っているRPAツールはどれも発展途上の製品であるため、今後バージョンアップやツールの変更が必ず生じます。時間や費用を投入して作り込み過ぎると、後に登場する便利な機能をうまく盛り込みにくいなどの影響が考えられます。

しかし、RPAの本格導入が時期尚早という意味ではありません。現在のRPAツールでも業務は十分に効率化できるので、部分的な導入からスタートしつつ、バージョンアップには柔軟に対応しながら業務改善を進めるのがおすすめです。

導入工数の半分程度の運用工数が必要

RPAはサーバー型の大規模システム開発と比べ、少ない工数で導入することが可能です。ただし業務内容が変更になったときのメンテナンスにかかる運用工数は、導入工数の半分程度と意外に多くの割合を占めます。業務内容が変更になる際は、変更にかかる工数計算にRPAのメンテナンス工数も見込んでおきましょう。

RPA導入までの流れ

最後に、RPAを導入する際の流れをご紹介します。RPAのメリットを最大限に享受するためにも、効率の良い導入プロセスを確認しましょう。

RPAツールの研修

まずはRPAとは何かを具体的に理解するために、現場の各部門から2~3人を選出してツールの研修を行いましょう。RPAを「なんとなく便利になる」という認識で扱うのと、「ある業務が自動化できる」とはっきりイメージして扱うのとでは、ツールの扱いを覚える早さと熟練度が変わります。

費用対効果を最大にするためにも、導入目的を明確にし、運用する従業員に理解してもらうことが大切です。

業務の選別・検証

次に、部門ごとに点在する自動化できそうな業務を洗い出します。「RPAの得意とする定型業務かどうか」「その業務には何人のリソースを割いているのか」「何時間の工数を費やしているのか」などを確認し、RPAに置き換える業務を選別しましょう。その後、その業務は本当にRPAで自動化できるのか、十分な費用対効果が得られるのかの検証を行います。

その際は、推進部門やIT部門だけで話し合うのではなく、現場を巻き込んで話し合うのがポイントです。推進部門やIT部門のみでRPAを作成した場合、選別した業務と実際に自動化が必要な業務にズレが生じ、かえって業務に支障が出る恐れがあります。RPAの効果を最大限に発揮するためにも、現場の声を重視することが大切です。

ツールの選定

RPAツールは数多くあり、自社の求めている条件に最も合うツールを選ぶことで業務の効率化が期待できます。

例えば、RPAはサーバー型とデスクトップ型の2種類に大別できます。サーバー型がサーバー内で行われる業務を横断して一括管理できるのに対し、デスクトップ型が管理するのはパソコン内の作業のみです。大規模導入に適しているのがサーバー型で、小規模導入に適しているのがデスクトップ型です。

また、同時に稼働できるロボット数も異なります。サーバー型が100体以上のロボットを同時に動かせるのに対し、デスクトップ型はパソコン1台につき1体です。そのため、自動化したい業務が多い企業や大規模な導入を検討している企業であれば、サーバー型がおすすめです。

さらに、ツールごとの機能やUIの使用感、安定稼働に求められるシステム環境などを比較することも大切です。

エラー予測

RPA導入後に発生しうるエラーを事前に洗い出します。そして予測したエラーに対し、適切な対処方法や管理者が不在時の対応などを具体的に検討しましょう。あらゆるケースを想定しておくことで、実際に導入後にエラーが発生した際、業務停止期間やエラーによる損失を最小限に抑えることができます。

部分導入

RPA導入による思いがけないトラブルを避けるため、まずは小規模かつ短時間の部分導入から実施することをおすすめします。

なお、部分導入の際にできるだけ、実際の業務内で発生しうるトラブルを洗い出すことが重要です。なぜなら、効果や課題、改善点を洗い出し、全社展開に向けた計画を策定する必要があるからです。洗い出した内容を踏まえて、RPAツールの全社導入を支援・保守できる体制準備や規則制定も実施してください。

全社導入

部分導入で十分な成果が出れば、全社的な本格導入に移行します。新たに問題点が見つかったり、業務の変更やツールのバージョンアップなどがあったりした場合に備え、「設定したとおりの処理が行われているか」「既存システムとの連携が正しく行えているか」などを常に確認し、適切なルールで運用するようにしましょう。

RPAはこれからの仕事のパートナー

RPAは決まった流れのパソコン操作を自動化し、業務の大幅な効率化を図るソフトウェアです。人間の仕事が奪われるようなネガティブなイメージを持たれることもありますが、決してそうではありません。RPAがデータ入力や計算などの単純作業を担うことで、人的ミスを減少させつつ、人間はこれまで以上に主要業務に専念できるようになります。

慢性的な人材不足や従業員の長時間労働などに頭を悩ませている企業の経営者や担当者の方は、RPAの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

▼製品紹介ページ
DAiKO-RPA

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