ワークフローシステムとは、企業内で発生する稟議や各種申請についての申請、確認、承認などのプロセスを仕組み化するシステムです。意思決定の迅速化が図れます。また、多くの場合、その手続きのために必要としていた書面をワークフローシステム内に組み込むことができるので、大幅なペーパーレス化が図れ、管理コストや郵送コストも大幅に削減できます。
さらに、電子帳簿保存法の改定に伴い、電子取引で発生した証憑をワークフローシステムに添付し、承認時に活用しつつ、電子保存するというニーズが非常に高まっています。
旧来のワークフローに散見される問題点
企業経営におけるワークフローとは、一般的に稟議や各種申請についての申請、確認、承認などのプロセスを指します。
新しい取引先の与信、契約書内容の確認、見積書の発行や文房具の購入、従業員の身上変更の申請など、企業活動の多くの場面で、それぞれの重要度に応じた確認と承認のプロセスが設定されています。
さて、一般的な旧来のワークフローでは、申請事項とそれに伴う費用の見積などを申請者が書面で申請し、総務部門がその内容の確認と承認を行うのに妥当と考えられる関連部門や職位者を設定し、回付していくという方法が採られています。
この方法では、以下のような問題点が考えられます。
- コスト面 … 申請のために費やされる膨大な用紙とその郵送や管理のためのコスト負担
- 内部統制の運営維持面 … 頻繁な組織変更に対応する適正なワークフローの設定と管理についての、手動管理の限界
- 意思決定のスピード面 … 申請そのものを起案する工数および承認回付のための時間ロスによる機会損失
ある会社では、急ぎの稟議承認のために、バイク便を使用したことがあるという話を伺ったこともあります。
また、コロナ禍を契機としたテレワークの常態化によって、申請者が自宅から申請できない、管理者が自宅で承認できないといった状況もよく伺いました。
このような問題点は、企業規模が大きくなるほど、関連部門の数も承認者の権限も拡大複雑化し、目に見えない部分を含め、企業経営における強いボトルネックになると考えられます。
ワークフローシステムのメリット
ワークフローシステムでは、企業内で発生する稟議や各種申請についての申請、確認、承認などのプロセスをシステム化します。多くの場合、その手続きのために必要としていた書面をワークフローシステム内に組み込むことができるので、ペーパーレス化による輸送や管理を含めた大幅なコスト削減を実現できます。
内部統制の運営維持という点に関しても、グラフィカルな画面で申請の種類分類やレベルごとの確認承認ルートを定義できるので、過不足なく運用することができます。電子署名連携したシステムであれば、内部統制システムとして改ざんがないことをより強力に担保できます。
また、手動で承認ルートを管理する方法では、必要のない承認ルートを設定してしまう可能性があります。このケースでは申請側も承認側も実務面で無駄なやりとりが発生してしまい、生産性の低下はもちろん、意思決定のスピードや精度も低下させてしまいます。これを抑止できる点もシステム化のメリットとなります。
なお、特にクラウド型のワークフローシステムは、申請、確認、承認とも社外からアクセス可能とすることもできるため、在宅勤務時に処理できないといったことがなくなります。
在宅勤務が常態化した状況において、「判が押された書面画像をPDF化したもの」などのファイルによる回付が散見されました。それと比較すると一般的に規格化されている電子署名連携によるほうが、内部統制や取引先からの評価としても、信頼性があるように思われます。
さらに、電子帳簿保存法の改定に伴い、電子取引で発生した証憑をワークフローシステムに添付し、承認時に活用しつつ電子保存することで、承認にも活用しつつ、電子保存もできるという一石二鳥の運用が可能となります。
以上を総合すると、ワークフローシステムは、企業で日々行われている大小含めて膨大な意思決定にまつわるコストも時間も効率化したうえで精度をアップできる、企業経営の潤滑油といえるでしょう。
大興電子通信が提案するワークフローソリューション
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