企業の利益を表す指標として、粗利、営業利益、純利益などさまざまな用語がありますが、その中でも重要視されているのが「粗利」です。本記事では、粗利に関する基礎知識をわかりやすく解説いたします。
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粗利(売上総利益)とは?
粗利 = 売上高 – 売上原価
粗利(売上総利益)とは、製品の売上高からその製品の売上原価を差引いた金額のことです。つまり、製品を販売したことで得られる直接的な利益を表しています。
粗利を把握することで、製品やサービスの生産・提供にかかるコストを考慮したうえで、企業がどれだけ利益を上げているかを把握することができます。
粗利率 とは
粗利率とは、粗利を売上高で割った値です。企業の利益率を示す指標で、後述しますが業界や企業の特性によって異なる水準があります。
営業利益との違い
粗利と似ている指標に営業利益がありますが、両者は似ているようで異なる概念です。
営業利益は粗利から営業費用を差引いたものです。粗利は製品・サービスの生産・提供にともなうコストのみを考慮していますが、営業利益は、その他の一般的な経費や販売促進費用も考慮した純利益の一部であるという点が異なります。
粗利が重要視される理由
次に、企業経営において粗利が重要視される理由を詳しく掘り下げていきます。
具体的には、主に3つの理由が挙げられます。
原価の妥当性がわかる
また、粗利を把握することで、原価をどれほど抑えるべきかの妥当性を判断することに繋がります。
粗利が大きいほど、利益率が高く原価に対する収益性が高いと考えられるため、例えば製品価格が同程度の場合で、競合他社と比較して粗利が低いようであれば、他社より原価がかかりすぎている可能性があります。
製品が生む「付加価値」がわかる
粗利は製品・サービスの販売価格から原価を差引いたものであるため、その製品が生み出した「付加価値」を測る指標でもあります。
もしも粗利を稼げていない場合は、製品に原価以上の価値を付けられていないことを意味します。
企業が得た利益である
粗利を求めることで、企業が製品・サービスの提供によって得た利益がわかります。
粗利は企業の重たる資金源でもあり、また粗利から経費(人件費・販管費など)を差引くことで、最終的に企業に残る利益も把握することができます。そのため、企業における重要な指標として位置付けられています。
粗利・粗利率の計算方法
粗利と粗利率は、それぞれ次の計算式で求めることができます。
■粗利 |
例えば、売上高10万円の製品Aに5万円の原価がかかった場合、粗利は「10万円 – 5万円 = 5万円」です。
■粗利率 |
また、売上高10万円の製品Aに5万円の原価がかかった場合、粗利は5万円であるため、粗利率は、「5 ÷ 10×100 = 50%」と算出できます。
粗利の理想値とは?業界別平均
粗利は高ければ高いほど良いといえますが、一般的にはどれくらいの値となることが多いのでしょうか。
あくまで参考値ではありますが、「中小企業実態基本調査(令和2年確報)」によると業界別の平均粗利率は次の通りです。
【業界別粗利の平均値】 |
粗利を把握してどのように活用するか
把握した粗利を経営活動に活かす方法としては、主に次のような方法が考えられます。
市場競争力を測る
同じ業界の平均値や競合他社と粗利率を比較することで、客観的数値で市場競争力・経営状況を測ることができます。
販売費及び一般管理費が適正か測る
粗利と営業利益を比較すれば、販売費及び一般管理費にかかっている費用がどの程度か把握することができます。
例えば、「粗利が高くても、営業利益が低い」といった場合は、販売費及び一般管理費がかかり過ぎている可能性が考えられます。粗利を把握することで、自社の販売費及び一般管理費を見直すきっかけにもつながるでしょう。
財務会計ツールで、面倒な入力・レポート作成などを効率化
「粗利」「粗利率」をはじめ、さまざまな指標を分析し、企業の経営状況を管理する財務会計業務。Excelといった表計算ソフトで集計や管理を行っている企業もありますが、ヒューマンエラーや、煩雑な計算式の入力などに負担がかかりやすい問題があります。
そこでおすすめなのが、財務会計ツールの導入です。 データ入力・確認の手間を省くことができ、手入力のミス・計算ミスなどによる数値誤りを低減することができます。
また、財務会計ツールであれば、経営陣に報告するためのレポート作成を自動で効率化する機能などもあり、 管理の正確性を向上しながら業務効率化も図れます。
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