企業の貸借対照表で用いられる「純資産」。企業の財務分析でも欠かせない項目のため、基本を理解することが非常に重要です。本記事では、純資産の基礎知識について、総資産との違いや勘定科目の内訳、純資産を用いた財務分析の方法について詳しく解説します。
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純資産についての基礎知識
まずは、以下4節に分けて純資産の基礎知識を解説します。
純資産とは?
純資産とは、企業の貸借対照表において、資産から負債を差引いた残りの部分をいいます。
これは、企業にとって返済義務のない資産、つまり「自己資本」や「正味財産」を意味します。後述しますが、純資産は、企業の財務状況を評価するために欠かせない項目として重要な役割を果たしています。
純資産の内訳
純資産に分類される勘定科目としては、主に「株主資本」と「株主資本以外」の2種類があります。
それぞれを構成する主な勘定科目の内訳は、以下の通りです。
<株主資本>
■資本金 ■資本剰余金 ■利益剰余金 |
<株主資本以外>
■自己株式 ■新株予約権 |
純資産と総資産の違い
「純資産」とよく混同されるものとして「総資産」があります。
総資産は、企業が保有するすべての資産の合計を指すものであるのに対して、純資産は、総資産から負債を差引いた残りの部分のことです。
<ポイント>
・総資産・・・返済義務のあるもの・ないもの、どちらも含めたすべての資産合計 |
純資産による財務状態の分析方法
次に、貸借対照表にある純資産や関連科目の金額を活用し、企業の財務状況を分析する方法を解説します。主な分析の仕方としては、以下3つの指標を求める方法があります。
自己資本比率(目安:30%以上)
自己資本比率とは、資産のうち純資産(自分資本)の占める割合のことで、企業の財務安定性を評価する指標として用いられます。
自己資本比率が高い企業ほど、負債の割合が少ないため、倒産のリスクが低い財務状況であることがわかります。
あくまで目安ではありますが、自己資本比率が最低でも30%以上あると安定性が高いと考えることができます。
自己資本利益率(目安:20%以上)
自己資本利益率とは、純資産に対する当期純利益の割合のことで、企業の収益性を評価するための指標です。企業の収益力や将来の成長を分析するのに役立ちます。
あくまで目安ではありますが、自己資本利益率が20%以上であれば収益性が良い状態であると捉えることができます。
債務超過(純資産がマイナスの状態)
債務超過とは、負債が資産総額を上回ってしまっている状態のことで、企業の財務健全性に警鐘を鳴らす指標です。債務超過となるとき、純資産はマイナスの値を取ります。つまり「資産をすべて費やしても負債を返せない状態」であるため、会社の存続が危うい状況であることがわかります。
なお、債務超過となった場合でも、会社がすぐに倒産するとは限りません。しかし、その状態が続けば存続は困難になるため、早急な解決が求められます。
企業では、財務及び経理部門がこうした指標を管理し、今後の財務戦略を立てていきます。しかし、分析業務や報告書作成が複雑であることから、担当者の工数が圧迫されやすい問題もあります。
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