テレワークや残業時間短縮などの導入で、働き方改革は進められていると言えるのか。
疑問を持つ企業や経営者に向けて、富士通株式会社・シニアエバンジェリストの松本氏が、 実践へのアプローチをガイドする。その8つのポイントを紹介しよう。
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「ありたい姿」は何か|ビジョン策定
まずは企業と社員が、この会社で将来どのような働き方をしていたいか、その「ありたい姿」を明確化・共有することが重要です。そのためには現在、自分たちがどんな働き方をしているのかを正しく把握しましょう。
そこから「ありたい姿」になるには何をすればいいか、具体的な目標を掲げます。「働き方をこう変えれば、こういうことが実現できる」というビジョンが見えれば、社員のモチベーションも上がります。
DAiKOのアプローチ|「ありたい姿」を社内報などで周知
「ありたい姿」として「新しいことをワクワク追及」「能力をグングン伸ばす」「安心してノビノビ働ける」ことを掲げ、社内報「D’sWAY通信」などで周知し、社員の意思統一を図っている。
社員への浸透で土台を作る|新しい働き方像の定着
明確化された「ありたい姿」は全社員に浸透させましょう。意識と行動を変えていくには、理解を促す取り組みが欠かせません。まずはアンケートやヒアリングで社員の内在する意識を表面化させたり、ワークショップでテーマを掘り下げるのもいいでしょう。
外部のコンサルサービスを活用し業務を客観視したり、ICTツールを活用して業務プロセスを可視化、長時間労働や無駄な仕事を解消するのも大切です。
DAiKOのアプローチ|社員主導のオフィスリニューアル
各事業部からメンバーを選出したプロジェクトでオフィスリニューアルを敢行。社員が考えた視点でオフィス改革を行なっている。
働く場所は柔軟であるほどいい|テレワークの活用
テレワークは、効率的で柔軟に働くための手段の一つ。在宅勤務だけでなく、サテライトオフィス、移動中の交通機関、遠隔地など場所の制約をなくし、出勤時と同じパフォーマンスを可能にすることです。
働く場所を固定しない前提とすると、チャットやWEB会議などICT化が進み、書類のデータ化など時間や空間の効率化にもつながります。
DAiKOのアプローチ|サテライトオフィス設置、フリーアドレスの導入
移動先でも快適に業務ができるよう首都圏を中心にシェアオフィスを契約、いつでも使用できる。また自社オフィスではフリーアドレスを導入、業務や事情に応じて席の種類が選べる。
どこにいても快適なパフォーマンスを|業務に合わせたデバイスの選択
最適なデバイスがあるからこそ、リモートワークは可能になります。例えば外出の多い営業職なら、軽くて丈夫なPCが使いやすいというように、それぞれの業務に適した機能、使いやすさ、パフォーマンスが求められます。
また社員研修などの教育コンテンツは、すきま時間で受講できるよう、スマートフォンにも対応させるなど、デバイスに合わせた配慮もほしいですね。社外での使用にはセキュリティの担保も必須です。
DAiKOのアプローチ|デバイスの入れ替えは随時行なう
営業・SE職には持ち運びがしやすい軽量のPCを配布。事務職にはモニターの大きなPCを設置。古いPCの入れ替えを随時行なっている。
距離感を感じさせない利便性と一体感を|コミュニケーションの変革
生産性の向上には円滑なコミュニケーションが原則。オフィス内でもテレワークでも、同じ水準で意思のやりとりができることが求められます。
そのためにICTツールを導入する場合は、質も吟味しましょう。部門の垣根を超えた議論から気軽な雑談まで幅広く皆が共有できるツールなら、離れていてもチームで解決策やアイデアを生み出せます。
DAiKOのアプローチ|コミュニケーションツールやクラウドを活用
雑談レベルの「軽い声かけ」ができる仮想オフィスツール「Remotty」を一部で導入開始。またクラウドの「Box」を全社で使用している。
スマートフォンを最大限に活用|業務のモバイル対応
直感的な操作ができるモバイルデバイスをビジネスの現場でも活用しましょう。業務に特化したモバイルアプリや既存システムのモバイルアプリ化も進めます。
アナログで行なっていた現場業務をアプリケーション化すれば、ワークフローをサポートすることも可能です。利便性、そして生産性は確実にアップします。
DAiKOのアプローチ|スマートフォンでの勤怠管理、朝の検温報告、i-Compassの活用
スマートフォンを全社員に配布。業務開始連絡、朝の検温報告、簡単な業務はこれで行なえる。DAiKOの「i-Compass」は給与明細などをスマートフォンで確認でき、ペーパーレス化にも貢献。
人も資料も効率よく快適に|オフィス空間のデジタル化
社員の自由な働き方を支えるには、空間に工夫も必要です。環境センサーや人検知センサーで、オフィスの混雑状況や社員の在席状況などを可視化すれば、社員がストレスなく利用できます。そのデータからオフィスの稼働率を分析、生産性向上を促すレイアウトにつなげることもできるでしょう。
また書類のデジタル化が進めば業務効率もよくなり、保管倉庫などの無駄スペースの排除もできます。
DAiKOのアプローチ|紙書類のデータ化の推進
オフィスリニューアルにともない、紙書類を精査。不要な書類は廃棄、必要な書類はデータ化を徹底した。文書の検索が簡単になる、複数人で共有できるなど、利便性や業務効率の向上につながっている。
社員が「働きたい」会社になる|AIやRPA活用によるパフォーマンスの最適化
フレキシブルな働き方を目指してICTを導入すると、処理や分析すべきデータはますます膨大になります。これらの処理にはAIやRPA※を活用し、データの解析や定型作業を自動化・省力化することをお勧めします。
データ処理に忙殺されることなく、より創造性の高い仕事、能力を生かす仕事に向かえれば、社員のモチベーションは上がります。そこから「この会社で働きたい」という気持ちが育まれます。
※RPA:Robotic Process Automation 。定型デスクワークの自動化ツール。
DAiKOのアプローチ|「DAiKO OCR with AI inside」「DAiKO RPA Powered by おまかせRPA」の活用
手書き文字などをデータ化する「DAiKO OCR」、データを自動入力する「DAiKO RPA」を活用し、処理の効率化を進めている。
「DAiKO OCR with AI inside」製品ページはこちら
※本サービスはAI inside株式会社の「DX Suite」を活用しています。
※ DX SuiteはAI inside株式会社の登録商標です。
本記事はD’sTALK Vol.50の掲載コンテンツです。
その他の掲載コンテンツは下記のページからご覧ください。
https://www.daikodenshi.jp/daiko-plus/ds-talk/vol-50/
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