働き方改革

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IT人材不足に備えるシステムインテグレータの役割

※こちらの記事は発行時(2022年1月)の文章のまま掲載を行っております。

少子高齢化が進む日本では、今後、さまざまな分野における人材不足が懸念されています。さらに将来にわたり企業が生き残るためには、IT技術を活用したデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進が必須であり、IT部門における人材不足への対策は企業の存亡にも関わる重要な課題だという認識が必要です。

本特集では、企業が今後、対応を迫られるであろうIT人材不足の実態と将来予測、必要とされるIT人材のスキルをレポート。さらにDAiKOが企業に提供できるIT人材育成などについてご紹介します。

ピーク時から半減する日本の生産年齢人口

少子高齢化が進行している日本の総人口は、2008年をピークに減少が始まっています。総務省による調査では、2060年には総人口が9000万人を割り込み、65歳以上の人口が40%近い水準となることが推計されています。

少子高齢化が進むことで、生産年齢人口が減少し、日本全体の労働力が減少していきます。その対応を考えることが、現在の大きな社会課題となっています。

生産年齢人口とは、一般に15歳から64歳までの生産活動に従事できる年齢の人口を指します。戦後から増加が始まった日本の生産年齢人口は、1995年に8726万人に達したのをピークに、以降減少が続き、 2015年には7728万人に落ち込みました。総務省の将来予測では、2030年にはさらに6773万人、 2060年には4418万人になるとされており、ピーク時の1995年と比較して約50%も減少することが見込まれています。

IT人材不足が日本のデジタル化に大きな影響を与える

一方、日本は欧米諸国だけでなくアジア圏の近隣国と比較しても、デジタル化の遅れが目立っています。さらに日本の電子政府への対応の遅れは、新型コロナウイルスの感染拡大を機に国民も実感することになり、それが生活や健康に大きな影響を与える深刻な課題であることが分かってきました。

まずは総務省の発表をもとに国際経営開発研究所(IMD)が公表する「デジタル競争力ランキング」と、国連経済社会局(UNDESA)が公表する「世界電子政府ランキング」を参照しながら、国際間における日本のデジタル化の遅れを具体的に説明します(図1)。

デジタル競争力ランキング

「デジタル競争力ランキング」とは、IMDが策定・公表しているデジタル競争力の国際指標です。国ごとのデジタル技術の開発・活用状況、それによる政策、ビジネスモデルおよび社会全般にどの程度変革をもたらしているかを分析し点数化、ランクを付けたものです。

ランキングは、デジタル競争力に影響を与える要因を「知識」「技術」「将来への備え」の3つに分類し、各要因に関する52の基準・指標に基づいて算出されます。

2020年の「デジタル競争力ランキング」では、米国が3年連続となる1位、2位がシンガポール、3位がデンマーク。日本は前年比で4ランク下げ、63か国・地域のうち27位という結果でした。

さらに個別の評価を見てみると、日本は「人材」に関する評価が63か国中46位と、他国に比べてかなりの低評価です。なかでも「国際経験」が63位、「デジタル技術スキル」が62位と最下位レベルであり、今後における深刻な課題となりそうです。

世界電子政府ランキング

「世界電子政府ランキング」は、「オンラインサービス」「人的資本」「通信インフラ」の3つの指標をもとにEGDI( 電子政府発展度指標)を定義し、世界各国の政府のデジタル化進捗度を評価したものです。

2020年の当ランキングは、1位がデンマーク、2位が韓国、3位がエストニアで、日本は64か国中14位となっています。前回の、2018年集計のランキングでは10位だったことから、4ランク下がったことになります。

さらに指標ごとの順位を見ても、日本はオンラインサービスおよび通信インフラの指標と比較して、人的資本の指標の評価が一貫して低くなっています。

こうしたランキングの結果を見ても、今後日本企業がデジタル化に取り組んでいくうえで、IT人材の強化が必須の課題であることが、あらためて浮き彫りになっています。

2030年には最大78万人以上のIT人材が不足

2010年代の後半から2020年にかけて日本の産業界では大型のIT関連投資が続きました。また昨今の情報セキュリティ対策などへのニーズの増大、さらにビッグデータやIoT、AIなどといった新技術やサービスの登場によって、今後ますますIT活用の高度化・多様化は進むでしょう。

経済産業省では中長期的に、ITに対する需要が継続して増加すると見込んでおり、やはり今後IT人材不足が顕著になってくると予測しています。

しかし、前述のように生産年齢人口が減少する日本では、IT人材の獲得は現状以上に難しくなると考えられます。IT需要の拡大にもかかわらず、国内の人材供給力が低下することから、IT人材不足はより一層深刻化するおそれが高いのです。

図2は、経済産業省の委託事業として、2019年にみずほ情報総研から発表された「IT人材需給に関する調査」です。これによると、新卒人材(IT人材としての新卒就職者数)の増加に伴い、IT人材数(供給数)は2030年までは増加傾向をたどり、 2030年のIT人材数は、2018年に比べ10万2000人増の113万3000人になると予想されています。また、IT人材の平均年齢は、直近では微増傾向となるのですが、新卒人材の増加に伴い、40歳付近で横ばい傾向となり、2025年以降は微減傾向を示すとなっています。

一方で、2030年時点のIT人材の需要と供給の差(需給ギャップ)を試算した結果、今後のIT需要の伸びによって数字は変わってくるとしながらも、最低でも16万4000人、IT需要の伸びが大きくなった場合は78万7000人の需給ギャップが生じると見込まれています。

今後必要になるIT人材に求められるスキルとは

では、具体的にどのようなIT人材が求められてくるのでしょうか。技術進歩が早いIT分野では、人材に求められるスキルも急速に変化するため、必要とされる人材の需給構造は、IT需要の構造変化に強く影響されます。近年では、ビッグデータ、 IoT、ロボット、AIに関わるエンジニアなどの人材が、デジタルを活用した新ビジネスの担い手として、最優先で確保されています(図3)。

このような先端IT技術に関連する市場を担う「先端IT人材」の需要は、今後、急速に増加すると見込まれます。

一方で、「従来型IT人材」は、現状では依然として大半を占めるものの、中長期的には市場規模の縮小とともに、需要が減少すると見込まれます。

ビッグデータに関わるIT人材に求められるスキル

ビッグデータに関わるIT人材とは、ビッグデータを蓄積する仕組みを設計・構築するエンジニアです。企業においては、顧客の購買履歴や行動データといったさまざまなデータから、販売戦略を考えるマーチャンダイザーをサポートする役割を担うこともあります。

ビッグデータは、企業に新しい価値を生み出すこともあるため、ビッグデータに関わるIT人材には、膨大なデータを分析してビジネスに活用する「データサイエンティスト」としてのスキルも併せて求められます。

IoTに関わるIT人材に求められるスキル

IoTに関わるIT人材とは、世の中のさまざまな情報をセンサーなどで収集する、組み込みシステムのソフトウェアを設計・構築するエンジニアです。

IoTシステムを活用すれば、例えば流通業などで荷物の情報を自動取得し、在庫管理を効率化することができます。そのため、IoTに関わるIT人材には、センサーから収集されたデータを処理する、エッジコンピューティングのシステム開発スキルなども必要になります。

ロボットに関わるIT人材に求められるスキル

ロボットに関わるIT人材には、ソフトウェア開発のスキルだけでなく、電気工学、電子工学、機械工学などといった物理学系の知識も求められます。一方で、今後製造業での活躍が期待されるロボットには、人間と一緒に協働作業ができる機能も求められることから、AIの知識も身につけたIT人材が必要になってきます。

AIに関わるIT人材に求められるスキル

AIに関わるIT人材に求められるのは、AIのエンジン開発だけではありません。例えば顔認証ソリューションを活用する際にも、AIにデータを「学習」させて精度を向上させることが必要であり、そうしたプロセスに対応できるデータベース活用のスキルも求められます。

さらなるDX推進のために、 IT人材不足の解消は企業の最重要課題

さらにIT人材の供給が必要となる背景として、DXの積極的な推進が挙げられます。

DXは、従来の組織やビジネスモデルの知見と新技術領域の知見をデジタル融合させた、まったく新しいモデルです。それは業務そのものだけではなく、組織やプロセス、企業のあり方などを含め、幅広い変革を可能にし、企業競争における優位性を確立します。企業は生き残りをかけて、ますますDXに注力していくでしょう。

DXの導入が広がっていくことで、IT需要はさらに高まります。そうなれば、経済産業省が高位シナリオとして予測するように、2030年には78万人以上のIT人材が不足することがにわかに現実味を帯びてきます。こうした事態に備えるには、社内でのIT人材の育成・活用が重要になるでしょう。

体力に余裕があり、普段からIT業務に関わる専任の人材が社内に存在し、かつ持続的にスキルアップが図られている、また必要に応じて人材を補充できる企業なら、IT人材不足への対策も恒久的に講じることができるでしょう。

一方で、IT人材の育成・活用の重要性が分かっていても、コスト負担や人材管理などさまざまな理由から、人材確保やスキルアップが難しい場合もあります。とくにそうした傾向が強い中堅中小企業では、どのようにこの課題と向き合っていけばよいのでしょうか。

中堅中小企業に必要なのは、構築・運用両面で頼れる社外のITパートナー

社内でのIT人材の確保が難しい中堅中小企業にとっては、自社のIT専属部隊のようにDXの構築や運用管理などもサポートしてくれる、社外のITパートナーの存在が強力な味方となります。専任のIT人材がいない企業でも、IT環境に応じたシステム構築を提案するなど、 IT業務を兼務する担当者の負荷を軽減する役割を務めるでしょう。

企業と二人三脚でシステムをつくり上げていく過程で、自らが持つノウハウも共有してくれるパートナーなら、自社のIT人材のスキルアップにも繋がっていきます。さらにシステム導入後も、その企業に寄り添った運用サポートが期待できるでしょう。

中堅中小企業がDXの活用で発展し続けるために必須である、IT専属部隊となってくれるのです。

お客さまに寄り添うシステム構築でITスキルを提供する

DAiKOでは、IT人材の育成・確保が困難な中堅中小企業のために、さまざまな支援を用意しています。

先端技術を持つパートナー企業とともにソリューションを提案

お客さまのニーズに対応した最適なソリューションを提案するため、富士通をはじめマイクロソフトやNTTなど、ICT活用をリードする企業各社と強力なアライアンスを構築しています。こうした先端技術を持つ企業のソリューション活用についても主導的にサポートし、各パートナー企業が持つ業種・業務ノウハウや、最新技術・スキルを活用してお客さまにご提案いたします。

ITの専門知識がなくても利用可能なアプリケーション開発環境を提供

自社でアプリケーションを開発したいと考えるお客さまを支援する、アプリケーション開発環境を提供いたします。クラウドから利用可能なアプリケーション開発プラットフォームや、ブラウザからUIをつくり込めるツールなど、ITの専門知識を持つ人材がいなくても活用できる開発環境をご提供することで、お客さまのIT人材不足の解消を支援いたします。

こういった、アライアンスの活用やアプリケーション開発プラットフォームの提供などによって、例えばIoTシステムの構築では、準備段階から課題の整理、施策立案、PoC開発・検証、ネットワーク構築、セキュリティ対策、環境構築まで対応いたします。営業からSE、CE、エンジニアリング、工事の各部門が連携することで、ワンストップでイノベーションの推進を支援するのです(図4)。

お客さまに寄り添いながらソリューション構築に関わり、お客さまと一緒に成長していく。それがシステムインテグレータに課せられた、IT人材育成支援事業であるとDAiKOは考えます。

本記事はD’sTALK Vol.51の掲載コンテンツです。
その他の掲載コンテンツは下記のページからご覧ください。
https://www.daikodenshi.jp/daiko-plus/ds-talk/vol-51/


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