人事・給与

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給与明細は保管する必要がある?保管期限と保管方法を解説

給与明細

会社で従業員を雇用している場合、毎月必ず作成する給与明細。この給与明細は、従業員への交付後、いつまで会社で保管する必要があるのでしょうか?

今回は、給与明細の保管期間が分からず困っている方のために、給与明細の保管期間や保管方法について、詳しく解説します。

給与明細の保管義務は会社にある?

結論から言うと、会社側で給与明細書を保管する必要はありません

実は法律では、一度発行した給与明細の保管は義務付けられていないため、給与明細発行後に破棄したとしても、法的な問題にはなりません。

しかし、“給与明細に関わる書類や情報”には保管義務があり、給与計算の根拠になる書類や給与明細の記載項目をまとめた書類は保管が必要です。

給与明細に関する書類の保管義務はある!保管期間別に紹介

保管義務のある給与明細に関する書類や情報とは、具体的にどういったものなのでしょうか。ここでは、事業主に保管が義務付けられている給与関連の書類を、保管期間別にご紹介します。

5年の保管が必要な書類

給与明細は保管する必要がある?保管期限と保管方法を解説

労働基準法第109条において、以下の書類は5年間の保管が義務付けられています

7年の保管が必要な書類

国税通則法(国税通則法第70条~第73条)において、以下の書類は 7年の保管が義務付けられています。そのため、「税関係の書類は 7年間保管」と覚えておくとよいでしょう。

給与明細を会社が保管しておくべき理由

これまで、給与明細に関連する書類のみ保管義務があり、給与明細自体には保管義務はないとお伝えしてきましたが、給与明細は保管しておいた方が後々便利でもあります。その理由を本章にて解説します。

従業員からの再発行依頼に対応可能

給与明細を残しておいた方がいい理由は、従業員からの急な再発行依頼にも対応するためです。従業員からは、以下のような理由で給与明細の再発行を依頼される場合があります。いざという時に迅速に渡せるよう、保管しておくのがおすすめです。

賃金支払の証拠として利用可能

給与明細は、「従業員に給与を支払った」証明になります。万が一、従業員から未払い賃金請求や、残業代のトラブルなどがあったとしても、証拠書類として給与明細を利用できます

なお、未払い賃金は、労働基準法によって過去5年間までさかのぼって請求できるため、5年間は保管しておけば安心でしょう。

給与明細の保管方法

給与明細を保管する場合は、保管方法に気をつけましょう。重要な個人情報になるので、いつでも確認ができて、紛失することがないように管理することが重要です。

給与明細書を保管する方法と保管時の注意点について、以下で確認しておきましょう。

紙交付の場合

①控えをファイルに保管する

紙で保管する場合は、ファイリング方法や管理方法に工夫が必要です。以下を参考にしてまとめてみてください。

  • 個人別かつ月単位でまとめる(従業員からの確認依頼に対応しやすい)
  • 直射日光や湿気を避けて保管(紙の劣化防止)
  • 鍵付きのロッカーに入れ、管理者を限定する(紛失対策)

②電子化する

電子化すれば保管のためのファイルや場所も必要ありません。紙の書類をスキャンして、画像やPDFとして保管しましょう。最初はスキャンの手間がかかりますが、検索性の高いファイル名で保管できれば、書類を探す手間は大幅に軽減されます。なお、スキャンをする際には解像度に注意しましょう。記載内容が認識できない解像度になっている可能性もあります。

給与明細の電子化については以下記事で詳しく紹介しています。ぜひご覧ください。

Web交付の場合

電子のデータで保管する

給与明細の電子化と同様に、従業員の同意が得られればWeb交付が可能です。電子データで保管するため保管場所を確保する必要がないです。

一方でセキュリティの心配があるため、情報漏洩対策としてアクセス権は管理者限定で設定し、記憶媒体はパスワードロックのかかるものを使用するとよいでしょう。

膨大な量の書類も、適切に保管しよう

ここまで給与明細の保管期限や保管方法について解説しました。

給与に関わる書類は、5年または7年の保管が必要で、給与明細書自体に保管義務はありませんが、発行後の従業員からの確認や再発行への対応がある可能性を考えると、給与明細書も保管しておくのが安心かもしれません。

ただ、給与明細に関する書類は、紙での管理は非常に大変です。従業員数が多くなればなるほど管理は大変になるため、保管の手間削減や計算ミスの軽減、オフィスの省スペース化につながる「Web給与明細サービス」の利用がおすすめです。


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