給与明細は、企業にとっても従業員にとっても重要なものです。内容を正しく確認するために、基本をしっかり押さえておきましょう。
ここでは総支給額と差引支給額の違いや、差引支給額の計算方法、給与明細の計算や確認に関する作業を効率化する方法をご紹介します。
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差引支給額とは
給与明細の支払額には、「総支給額」と「差引支給額」の2種類が記載されています。まずはそれぞれの違いについて確認しましょう。
総支給額と差引支給額の違い
総支給額は、「会社が支払った金額」の合計です。基本給だけでなく、残業手当や住宅関連手当などの、各種手当を加えたものが総支給額の金額になります。源泉徴収票では、支給額欄の右端に記載されている金額です。
一方、差引支給額は「従業員が実際に受け取る金額」のことで、総支給額から控除分を引いて計算されます。差引支給額は、源泉徴収票の集計の右端に記載されている金額になります。
差引支給額=手取り額
総支給額は別名で「額面給与」と呼ばれることがあり、差引支給額の別名は「手取り給与」です。一般的に従業員に希望年収を尋ねる場合は、差引支給額ではなく、総支給額について尋ねることが多いです。これは、差引支給額を計算するために必要な控除金額が地域によって違っていたり非課税である通勤手当も計算する必要があったりするためです。
企業側・人材側で行き違いがないように、給与に関する連絡や報告の際は、十分注意しておきましょう。
差引支給額の計算方法
次は差引支給額のおおまかな計算方法や、実際に計算するときの注意点についてご紹介します。
おおまかな計算方法
総支給額から各種控除を引いたものが、差引支給額です。地域や雇用条件によって違いはありますが、差引支給額の金額は、総支給額の8割程度であることが一般的です。ただし、初任給の場合は、社会保険料や住民税が控除されないため、計算方法の違いに注意しましょう。
また、これらの支給額の他に、「課税支給額」あるいは「課税対象額」という用語もありますが、これは課税対象になる金額のことを指しています。
控除の内訳
控除の内訳は、おおまかに分けると社会保険料、労働保険料、所得税、住民税の4つに分類されます。社会保険をさらに細かく分けると、健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料、介護保険料などに分かれます。社会保険料の支払額は、都道府県や加入している保険団体によって異なります。
また、介護保険料の支払いは、40歳以上の人だけが対象になるので注意が必要です。さらに、労働保険の内訳は、労災保険と雇用保険の2つがあります。パート・アルバイト社員の場合、1週間で20時間以上の労働時間があり、31日以上の雇用期間が見込まれる場合は雇用保険に加入させる義務が生じます。
給与確認を効率化する方法
給与の計算や確認はそれ自体が手間であり、企業にとっても大きなコストとなっています。給与に関するコストを軽減する方法について知っておきましょう。
給与確認方法の見直し
給与明細の配付にもコストがかかります。月ごとの支払いやボーナスの支給ごとに明細を印刷する費用、給与情報が流出しないように従業員に配付する手間など、金銭的にも作業量的にも多大なコストが必要です。
これらを改善するために、給与確認方法の見直しも検討してみると良いでしょう。WEB給与明細システムの導入もその一つです。
Web給与明細システムのメリット
Web給与明細は、文字通り給与明細をWeb上で確認することができるソリューションシステムです。Web上なので携帯電話やスマートフォン、PC、タブレットなど機種を選ばずに利用することが可能です。システムによっては給与明細の他、勤務実績や社内報などの配付にも対応もしています。
紙の給与明細を発行する手間やコストがかからないため、従来の作業負荷軽減や印刷費用や郵送費用などのコスト削減が実現可能です。
差引支給額を正しく理解しましょう
給与明細には複数の項目がありますが、今回は総支給額と差引支給額の違いや、その計算方法について解説いたしました。最近ではシステム化も進み、管理も容易になってきていますが、差引支給額は従業員にとって関心の高い項目のため、その計算方法も含めて説明が出来るよう、正しく理解しておきましょう。
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