生産管理

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設計完成度を下げる「短納期問題」。解決策は?

設計業務

「品質向上」と「コスト抑制」が高いレベルで求められる昨今の製造業。その中でも、個別受注生産の現場は短納期との戦いで消耗する傾向があり、設計完成度の低下が課題になっています。仕様変更が相次ぐ個別受注生産の現場において、どのようにすれば設計完成度を安定的に高められるのでしょうか。

今回は、短納期と設計完成度にまつわる課題解決のアプローチをご紹介します。

納期に追われて低下する『設計品質』

個別受注生産の最大の特徴は、顧客の要求仕様に基づいた生産活動を行うことです。この形態では設計部門が中心となり、設計・製造・販売が互いに連携しながらの進行が一般的といえます。

市場の変化が激しい昨今、顧客の要求に寄り添う生産スタイルは一見理想的にも思えます。しかし、現場からは次のような声が散見されており、そこには様々な課題が存在しているとわかります。

  • 設計の出図が遅い上に、出図後の変更も多いため、部品調達にズレが生じがち
  • 個別仕様で各工程の計画が守れず、遅れが頻繁に発生している
  • 新規部品が多いため、製造現場が混乱している
  • 繁閑の差が激しいため、作業の平準化が難しい

これらのような声が聞かれる背景には、個別受注生産ならではの不確実性・不透明性があると考えられます。そして、そこからリードタイムや工数が増大し、設計品質(設計完成度)の低下が生じているのです。

では、何故このような状況に至ってしまうのでしょうか。

納期・設計品質に苦しむ要因はなにか?

個別受注生産の現場が「納期」や「設計品質」に課題を抱える背景には、2つの要因があります。

1つ目は、設計プロセスの標準化が進んでいないことです。
標準化のメリットは、技術の共有・継承がスムーズに進めやすくなる点にあります。しかし、「うちの顧客の要求は特殊だから」といった理由で、顧客要求への対応を過度に重視するような現場では、標準化がなかなか進まない傾向にあります。このような現場は、やがて属人化が進行し、中長期的には設計品質の低下を招く事態に陥りかねません。

2つ目は、仕様変更の伝達が遅いことです。
営業部門が顧客から仕様変更の連絡を受けると、それは製造部門や資材部門へと連携されます。しかし、ここでの伝達スピードが遅くなるほど、追加資材の発注や製造工程に遅れが生じ、リードタイムが長期化します。結果、このような状況はやがて、設計品質の低下につながります。

これらの状況を改善できないと、納期遵守や品質担保は極めて難しい状況に陥ります。裏を返せば、「設計プロセスの標準化」と「仕様変更の伝達スピード向上」が実現できれば、設計に必要な時間の確保が可能になり、設計品質にまつわる課題の解決が見えてくるはずです。

では、属人化と品質低下を招く「負のスパイラル」から脱却するためには、どのような対策が考えられるのでしょうか。

負のスパイラルから抜け出すための方法

個別受注生産における「負のスパイラル」から抜け出すためには、「①ナレッジの蓄積」「②部品の共通化」「③部品表を中心とした情報の一元管理」の3つが重要な意味を持ちます。1つひとつ詳しく見てみましょう。

1.ナレッジの蓄積

1つ目は、設計データの一元化によって、「組織的なナレッジの蓄積」を行うことです。

各人の端末に保管されているナレッジや関連資料を部門内外で共有できるようになれば、保管している過去の情報を横断的に検索することで、類似の図面の流用やノウハウの継承が容易になります。毎回のようにゼロから図面を起こしていては、工数やリードタイムの増大を招きかねません。だからこそ、社内に点在したナレッジを集約し、自社の競争優位性へとつなげることが大切です。

2.部品の共通化

2つ目は、共通部品の増加によって「ゼロからの設計」を減らすことです。

過去の図面を流用しつつ、部品を共通化できれば、ロットの切り替えに要する時間の削減にも繋がります。これは、教育に要する手間や作業負荷の削減にも寄与するため、前述の「ナレッジの蓄積」と合わせて実施することが望まれます。

3.部品表を中心とした情報の一元管理

3つ目は、マスタ化の推進、及び「BOM(部品表)を中心とした情報一元管理」を実現することです。

顧客要望に沿った「図面中心」のものづくりを進めれば、短期的には設計品質の向上につながるかもしれません。しかし、やがて工数の限界に直面すると、設計品質の低下を招きます。だからこそ、中長期的な視野を持ち、「部品表(BOM)中心」のものづくりへとシフトを果たすことが、負のスパイラルから抜け出す鍵になります。

BOMを中心としたモノづくりが実現すれば、情報の滞りがなくなり一気通貫の管理が実現します。そして、この状態を実現は「設計の標準化」や「仕様変更の迅速な共有」へとつながるでしょう。

大興電子通信が提供する「rBOM」では、今回ご紹介した「負のスパイラル」からの脱却を可能とする一連の仕組みを提供しています。現場のナレッジを組織的に蓄積し、部品の共通化、部品情報の一元化を進めることで、”図面中心のものづくり”から脱却し、”部品表活用型のものづくり”へと転換を図ることができるのです。そして、このようなステップを踏むことができて初めて、個別受注生産のニーズに応え得るコミュニケーションが可能になります。

また、下記記事では、設計を大幅に効率化する「モジュール化」もご紹介していますので、ご興味のある方は是非ご覧ください。

個別受注生産の現場でお困りの方は、次の詳細ページをご覧ください。


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田幸 義則
この記事を監修した人
入社後15年間、長野支店にてシステムエンジニアとして活動。
運送業、倉庫業のお客さまを中心に担当し、業務システム構築からインフラ環境構築等の経験を積む。
その後、製造業のお客さまも担当し、rBOM導入のプロジェクトにも関わるように。
16年目に現部門に異動し、rBOM全国支援の担当者となる。
現在はrBOMだけではなく、製造業全般のソリューション提案を手掛けている。
料理が趣味、これからお菓子作りにも挑戦しようか迷っている。
大興電子通信株式会社
ビジネスクエスト本部
インダストリー推進部
田幸 義則
【事例で学ぶDX】BOMを統合して経営を強化、コストダウンへ

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