受注業務や発注業務は企業にとって当たり前の業務です。だからこそ効率的な方法としてWeb発注が用いられます。普段はFAXやメールで受発注を行っているものの、Web発注に切り替えを検討している企業も多いのではないでしょうか。
本記事では、FAXやメールでの受発注業務をWeb化するメリットについて解説します。
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FAX発注する項目は意外と多い?
最近ではメールやWebなど、様々な発注方法がありますが、現在も多くの企業でFAX発注が利用されています。FAXの利用率は約15%だといわれており、多くの項目においてFAX発注が採用されています。
オフィス事務用品
業種・業態に関わらず、オフィス事務用品は必ず必要となります。ボールペンやメモ帳、ファイル、印鑑、封筒などの事務用品が必須なのはもちろんのこと、ホワイトボードや延長コード、シュレッダー、防災セットなども必要になることがあります。普段からよく使うものは発注頻度も必然的に高くなるでしょう。
原材料・部品など
製造業では、原材料や部品などをFAX発注することも多く、例えば、食品工場であれば、販売している商品を作るために必要な原料を他社から購入する必要があります。自動車工場では、他社から購入したシート、タイヤ、ガラス、ドア、バンパーなどを発注する際に用いられます。
修理・点検など
FAX発注は、必ずしも商品を購入する場合にのみ利用されるわけではありません。使用している機器の修理や点検を依頼する場合にもFAX発注はよく利用されます。修理・点検が必要な機器は製造装置や医療機器、IT機器など幅広く、定期的なメンテナンスが欠かせない機器もあります。
FAX・メール発注業務には多くの課題が…
このように、発注業務においてFAXやメールは広く使用されています。その一方で多くの課題があることも事実であり、全体の業務に悪影響を及ぼすこともあります。
記入漏れや見落としなどミスが起こる
FAXやメールでの発注業務における大きな課題が、記入漏れや見落としなどのミスです。FAXやメールを送るためには、担当の従業員が逐一発注書に記入しなければいけません。どれだけ仕事に慣れている従業員でも、忙しい環境で働いているとミスが出る可能性はゼロではないといえるでしょう。
見直しの際にもミスに気付かずにそのまま発注してしまうと、業務に大きく支障をきたしてしまう可能性があります。さらに、本来は発注するべきではない商品を発注してしまう、あるいは必要以上に発注してしまうという可能性もあります。万が一返品できないと、企業にとって大きな損失となりますし、返品可能な場合でも余計に手間がかかってしまうことは間違いありません。
人的工数がかかる
FAXやメールでの発注では1つ1つのデータを入力する必要があるため、手間がかかります。ミスを減らすためには丁寧な見直しも必須なため、ある程度時間がかかるのは仕方ありません。発注数が大量であれば、発注作業だけに手を取られて他の業務に手が回らなくなることもあるでしょう。
特にFAXにおいては、タイミングによっては送信できないことがあります。相手が話し中であったり、回線が混雑していたりすることが原因で送信できない場合、頃合いを見計らってもう一度送信し直さなければいけません。FAXを送るという簡単な作業であるにも関わらず、他の業務への効率に影響を及ぼしてしまいます。さらに、すぐに発注書を送付できないことで商品の到着が遅れる可能性もあります。
管理が煩雑化する
企業では、発注の記録をすべて管理しなければいけません。電話と違って記録に残るのはFAXやメールの長所ではありますが、自動的に保存されるわけではないので、管理方法が複雑になってしまうのはやむを得ないといえるでしょう。
まず、FAX発注の場合には使用した紙を保管する必要があります。発注先ごとに分けて保管をするだけとはいえ、量が多い場合にはかなりの作業量になります。仕分け作業などを行う際に、大事な発注書を紛失してしまうこともあるかもしれません。さらに、発注書の保管スペースが必要なのも大きな問題です。スキャンしてデータとして保存することは可能ですが、その場合はさらに手順が多くなってしまいます。
メールの場合は、FAX発注を行う場合のように紙を保管する必要はありません。しかし、注文履歴が管理しにくいのが欠点です。どの商品をどのくらい注文したのかを一覧表示できるようにするためには、エクセルや他のデータ管理ツールを利用するしかありません。再度データを入力することになるため二度手間になるうえに、データ入力の際にミスが起こる可能性も高いといえるでしょう。
FAX発注はWeb化が当たり前の時代へ
従来、多くの企業では発注の際にFAXやメールを使ってきました。その一方で、簡単には解決できない課題が付いて回ることも事実です。生産性アップを目指すのであれば、発注方法についても見直す必要があるといえます。
また、最近ではFAX発注をWeb化する企業が増えています。ここでは、Web発注の概要についてみていきましょう。
Web発注とは
Web発注とは、Web上で発注や注文履歴の管理などを行えるシステムのことです。取引先によって発注方法は異なりますが、Web発注を利用すれば煩雑な発注方法も一元管理することができます。さらに販売管理システムや在庫管理システムと連携させることができるため、効率よく発注業務を行えます。
最近では、さまざまなタイプのWeb発注の中から企業の特徴に合ったものを選ぶことができます。社外から発注作業を行うことが多いのであれば、スマホやタブレットからアクセスできるWeb発注を利用すると効率性がぐんとアップします。また自社の業務にカスタマイズして導入できるWeb発注であれば、特殊な業界であっても不便なく利用することができます。
気になるのは導入コストですが、Web発注は導入コストの低さがメリットです。今までWeb発注を利用したことがないという企業も、比較的気軽に導入することができるのではないでしょうか。
Web発注にはどんなメリットが?
たくさんの企業がWeb発注を選んでいる明確な理由があります。Web発注に切り替えることで、Fax発注で悩まされていた課題も解決するのではないでしょうか。
発注時間の短縮
FAX発注を行う際には、まずは各商品の在庫を確認し、その上で必要な発注数を決めなければいけません。他のシステムにアクセスしてデータを確認してから発注書に記入しなければいけないので、どうしても発注業務に時間を取られてしまいます。
その点、Web発注であれば在庫数などを管理しているシステムと連携させることが可能です。そのため、わざわざ他のシステムにアクセスする必要はありません。トータルの発注業務が大幅に短縮されるため、他の業務に避ける時間も増えるといえるでしょう。緊急時にもすぐに発注することがあるので、無駄な時間ロスがありません。
さらに、24時間いつでも発注できるのも大きなポイントです。FAX発注とは異なり、発注先の状況によって送信できないということはありません。いつでもスムーズに送信できるので、効率性のアップにつながるといえるでしょう。
発注数の見える化
在庫が少ない商品の発注をしたらすでに発注済みだった、というトラブルは珍しくはなく、それぞれの発注数を簡単に把握できないことが原因です。FAX発注の場合でも以前の発注書を確認すれば発注数を知ることはできますが、かなりの時間と手間がかかります。さらに、見逃してしまう可能性もあるといえるでしょう。
しかし、Web発注であればその時点での発注数は一目瞭然です。在庫が足りていない状態でも、発注済みであることが分かれば誤って再度発注することはありません。結果として、トラブルや二度手間を減らすことができます。
FAX発注の場合でも、エクセルなどを使って発注数を管理することはできます。しかし、常にタイムリーにデータを更新することは難しく、タイミングによっては更新前のデータを元に発注作業を行ってしまうかもしれません。その点、Web発注ならすぐにデータが更新されるため、タイムラグによるミスの発生を防止することができます。
社内チェックの簡略化
Web発注を利用すれば、在庫に関するデータを一元管理することが可能です。さらにすべてのデータはWeb上にあるため、欲しいデータを探すときに手間がかかりません。FAX発注で紙の発注書を保管している場合とは違い、必要なデータにすぐにアクセスすることができます。
そのため、上司などがデータを確認する際もスムーズに行うことができます。システムの使い方さえ知っていれば、わざわざデータの場所を伝える必要もありません。お互いにとって、時間の短縮につながるといえるでしょう。
さらに、Web発注の場合にはそもそもミスが起こる可能性が低いといえます。FAX発注の場合には念入りに社内チェックを行う必要がありますが、Web発注の場合には社内チェックを簡略化することも可能になります。
Web発注で効率化される業務とその効果
Web発注を導入することで社内業務全体がスムーズに進みやすくなります。ここでは、具体的にどのような効果が期待できるのかについてご紹介します。
ペーパーレス化による業務効率化
Web発注を導入することの大きなメリットの1つは、ペーパーレス化できるということです。近年では発注業務に限らずペーパーレス化の重要性に注目が集まっており、社内全体で取り組んでいるという企業も多いのではないでしょうか。発注業務においては、Web発注を導入すれば簡単にペーパーレス化を実現できます。
ペーパーレス化することで印刷業務を省くことができ、書類の保管場所について悩むこともありません。また、データへのアクセスが容易になるため社内での依頼や管理、コミュニケーションが簡略化されます。FAX発注の場合よりもずっと短い時間で業務を済ませることが可能だといえるでしょう。
請求・納品データが管理しやすい
企業において、在庫管理やコスト管理、予算管理はとても重要です。これらが正しくコントロールできていないと、仕入れや売り上げ、さらには企業全体としての業績に影響します。そして、管理業務を効率化するためにWeb発注はとても役に立ちます。
Web発注にすれば紙のデータをわざわざデータ入力する必要がなくなりますが、それだけではありません。Web発注は周辺システムとの連携性が高いため、元データを用いてあっという間に計算や会計を行うことができます。
このように、Web発注を取り入れれば、ほぼすべてのデータをパソコンのみで一元的に管理し、計算や分析を行うことができます。システムに慣れるまでは手間取ることもあるかもしれませんが、一度社内で浸透したら劇的に効率が上がるのではないでしょうか。
まとめ
FAX発注やメール発注は今でも多くの企業で使われていますが、実際には多くのデメリットがあり、そのせいで知らず知らずの間に業務が非効率化していることも少なくありません。しかし、Web発注を導入すればFAX発注やメール発注の課題はほぼ解決されるといえるでしょう。そして、発注業務の効率化は他の業務にも大きく影響します。Web発注導入による生産性アップも十分期待できるといえるでしょう。
Web発注を利用するには多少のコストはかかるものの、それ以上に多くのメリットがあるといえます。また最近では多くのWeb発注システムがあるため、自社に合った機能が搭載されているシステムを選んで利用することができます。実際に、Web発注によって成果をあげたという企業は少なくありません。より業務を効率化するためにも、ぜひWeb発注の導入を検討してみてはいかがでしょうか。