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戦略的調達とは?財務体質の良い企業を作るための調達ポイントをご紹介

戦略的調達とは?財務体質の良い企業を作るための調達ポイントをご紹介

戦略的調達とは、調達業務を通じて企業の財務体質を改善する活動のことです。一般的にコストセンターとみなされている調達業務は、単なるコスト削減だけが追い求められがちですが、企業の収益性向上や競争力強化にとっても重要な業務です。

そこで本記事では、企業の収益性向上や競争力強化を実現する「戦略的調達」の概要やポイントをご紹介します。

戦略的な調達とは

戦略的調達とは「調達業務を通じて企業の財務体質を改善する活動」を意味します。この活動では、各支出項目における効率性の向上や供給リスクの最小化、調達プロセス全体の最適化を図ることなどが含まれます。

調達部門において戦略的調達が求められるようになった背景は主に2つあります。以下ではそれぞれの背景について説明します。

戦略的調達が求められる2つの背景

戦略的調達が求められるようになった背景には「不透明な社会情勢におけるリスク対応」と「財務体質改善効果の高さ」が挙げられます。

不透明な社会情勢におけるリスク対応

革新的な技術の登場や世界中で流行している新型コロナウイルスなど、世界の情勢は日々急速に変化しています。このような想定外の事象が続々と発生する現代はVUCA(Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字を取った用語)の時代と呼称されています。

VUCA時代を生き抜くためには、事業活動の最前線で状況把握を正しく行い、想定外のことが起こったときに素早く意思決定できるだけの企業力が必要だと言われています。

そのため、調達部門でもこれまでの「一定以上の質のものを安く調達する」というやり方から脱却し、戦略的調達によって企業全体の経営体力・競争力を高めることが求められています

財務体質改善効果の高さ

調達部門は、コストを生み利益が生まれにくい部門とみなされがちですが、本来は製品原価率の低下や棚卸資産の効率化など利益率に直結する財務的な影響が大きい部門です。

そのため、年間調達額が数億から数千億にのぼる場合、原価低減目標が少しでも達成されれば、数千万から数億円単位で財務体質が改善されます。

実際に経済産業省が発表した「2021年企業活動基本調査確報」によると、製造業の売上原価比率は約80%台で推移し続けています。業界の性質上、調達に多大なコストを要することは避けられないことがわかります。

このように、たとえ数%の削減でも財務体質強化効果が高くなることから、戦略的調達が求められています

出典:経済産業省「2021年企業活動基本調査確報-2020年度実績-」

次章では、戦略的調達を行う際に押さえておきたいポイントについてご紹介します。

戦略的調達の3つのポイント

ポイント①:サプライヤ1社に依存しない

調達の大部分を1社のサプライヤに依存すると、サプライヤ優位で話を進められてしまう可能性が高くなり、価格交渉が行いにくくなってしまうため注意が必要です。

また、万が一サプライヤの倒産や材料不足で発注を中断されることがあれば、他社サプライヤを探す時間がかかり、納期の遅れや予期せぬコストがかかる可能性もあります。

このような事態に陥ってしまえば、企業の財務体質改善が行えなくなってしまうため、サプライヤ1社に依存しないよう、既存のサプライヤ以外の企業を発掘したり、RFx(提案依頼や見積依頼など)をリクエストしてサプライヤ同士で競合状況を作ったりすることが重要です。

特にグローバル化が進展し、国際的な流通網が充実している現在では、国内外問わずさまざまな企業が取引の候補先となりえます。

また、もしサプライヤ1社に依存してしまっているという状況であれば、サプライヤが寡占状態に陥っている可能性が高いです。このような状況でのサプライヤとの付き合い方や交渉術は以下記事にて解説していますので、ぜひご覧ください。

ポイント②:データ収集と支出の分析を行う

事業戦略と絡めて調達業務を行うためには、データの集約も欠かせません。

調達データを収集し、支出内容を分析することで、どこでどのように支出があったのかを把握できるため、費用対効果を見極めることができます。費用対効果を見極められれば、自社に適したサプライヤを選定することが容易になります。

また、調達データが生産システムや在庫システムなどさまざまなところに分散していると、適切な分析が困難なため1箇所に集約しておくことが大切です。

ポイント③:調達業務を自動化する

戦略的調達を実現するためには、調達本来の業務に集中できる環境を整え、業務プロセスの最適化を行う必要があります。そのためには調達業務自体を自動化することが重要です。

価格交渉や契約などを含めた調達業務を自動化するためには、ITソリューションの利用が欠かせません。ITソリューションによってワークフローを効率化することで、サプライヤの評価・選定にリソースを割けるようになり、戦略的調達の実現にもつながります。

次章では、戦略的な調達を支援するITソリューション「PROCURESUITE」についてご紹介します。

調達プロセスを見える化し、戦略的調達を実現する

前章でご紹介した3つのポイントを押さえるためには、調達プロセスの見える化が必要です。

大興電子通信が提供するソリューション「PROCURESUITE」は、「都度購買」「カタログ購買」「請求書実績払い」といった購買方法に対応した「調達支援ソリューション」です。

見積~検収までの一連の購買業務プロセスを実現し、購買情報の一元化と可視化が可能です。分散購買と集中購買ともに対応しており、本社、事業部、各工場でも利用可能という特徴があります。

また、購入実績を把握できるため仕入先との価格交渉を優位に進めることができ、購買情報の見える化により相互牽制・組織牽制が働くことで、余計なコストがかからない仕組みが生まれ、戦略的調達を実現することが可能です。

さらに、情報伝達手段をWEBに一元化したり、購入頻度の高い品目を把握しカタログ化したりすることで事務工数を大幅に削減し、調達業務の効率化を図ることができます。


PROCURESUITEの詳細は以下リンクよりご確認いただけますので、
興味のある方はぜひご覧ください。

製品の詳細 カタログ


野田 隆志
この記事を監修した人
電子契約、EDIのソリューションを拡販する営業部長を長年担務し、電子商取引に精通したスペシャリストとして活躍。
様々な業界のお客さまに対して電子契約のコンサルティングからシステム提案までを行い、お客さまの課題解決に大きく貢献している。
直近では市場のニーズが高まっている電子契約システムに関するWebセミナーの講師なども行っている。
大興電子通信株式会社
ビジネスクエスト本部
ICTソリューション推進部 部長
野田 隆志

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