見積積算や見積書作成といった業務には、効率化や精度向上を阻むさまざまな課題が潜んでいます。こうした課題を解決するには、過去の見積データを簡単に参照でき、電子化や自動化を推進する仕組み作りが不可欠です。
本記事では、見積業務の精度向上・省力化に必要なポイントを中心にご紹介します。
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見積書作成&提出作業における課題
営業部門における見積積算や見積書作成・提出業務には、以下のような課題がみられます。
見積積算の精度が低い
まず挙げられる課題は、見積積算における原価精度の低さです。特に個別受注生産の場合、毎回異なる内容で相談を受けるため、どうしても積算に手間がかかり、精度が落ちてしまいます。
また、積算の際に参照する価格マスタがないことも、精度低下を招く原因です。しかし、個別受注の場合は都度要件や仕様が異なり、顧客によって価格設定の方法などが違うこともあるため、マスタ化が困難な場合があります。人力でのマスタ化も、膨大な過去の見積書から遡って作成する必要があるため現実的ではありません。
こうした背景から、見積書の積算業務では一度に全体をシステム化することは難しいといえます。そのため、省力化や精度アップを実現するハードルが高くなりがちです。
見積書をデータ化していないため、作成に時間がかかる
過去に作成した見積書をデータ化していないため、新しく見積書を作成する際に時間がかかってしまうことも課題の一つです。データ化していないと、既存顧客の過去の見積書を参照する際にExcelを開かなければならず非効率です。
また、データ化していないと、異動や退職などにより担当者が変わった際、どのような見積をしていたのか把握できない状態も起こります。過去に他の社員が担当していた顧客データを探す場合、保管場所を探すなどの工程が発生します。さらに、過去のデータを見つけることができなかった場合は見積書をイチから作成せねばならず、時間がかかってしまいます。
また、データ化していないと通しの管理番号付与が煩雑になり、組織全体での効率的なデータ共有・管理が妨げられてしまう点もデメリットです。
見積作成から承認フローまで、電子化やペーパーレスに対応していない
コロナ禍により進んだ電子化やペーパーレス化の流れに対応していないという課題もあります。Excelにより見積書を作成していると、承認作業や承認後の押印、PDF化、押印済の見積のメール送信といった工程が発生するためです。
省力化や効率化のため、電子化やペーパーレス化に適した業務フローへと移行する必要があります。
見積積算や見積書作成・提出業務にはこうした課題があるため、省力化や精度向上を図りたいという強いニーズがあります。以下では、そうしたニーズを満たすために必要なポイントをご紹介します。
見積業務の省力化や精度向上に必要なポイント
見積業務の省力化や精度向上に必要なポイントは、次の4点です。
1.過去の見積をデータ化し、流用する
1点目は、過去の見積を容易に確認・流用できる仕組みを作ることです。そのためには、まず過去の見積をデータ化することが必要です。データ化した見積を参照することで、細かい製品の仕様に関しての価格をすぐに見つけることができ、部品の価格統制をすることができます。また、それぞれの部品の価格が統制されれば製品の見積精度も向上します。
さらに、過去の見積がデータ化されれば、見積書の作成もスピーディーに進めることができ、見積書の作成業務を効率化することが可能です。
2.作成後の承認を電子化する
2点目は、見積書作成後の承認を電子化することです。電子化により印刷や承認のための押印待ちといった作業を省略できます。コロナ禍によりテレワークが拡大した結果、見積書の作成者と決裁者が離れた場所で仕事をしているケースが増えています。そのため、両者が別の場所にいてもスムーズに承認を行えるように電子化が必要です。
また、オンラインに接続できる場所ならどこでも承認できるため、申請から承認までスムーズに進み、ペーパーレス化も実現可能です。こうした要因から、承認の電子化は業務の効率化やコストの削減に寄与します。
3.承認後の電子押印やPDF化などを自動化する
3点目は、承認後の電子押印やPDF化などの自動化です。自動化により、押印や見積書をスキャナーで読み取る手間が省け、外出先でもすぐに顧客に見積書を送付できます。そのため、見積業務にかかる時間を短縮でき、省力化につながります。
4.押印済見積を半自動でメール提出する
4点目は、押印済の見積を半自動でメール送信する仕組み作りです。通常、見積書を提出する際にはメールを作成しますが、毎回自分で作成すると時間がかかってしまいます。1日あたりに要する時間はそれほど多くなくても、毎日積み重なれば大きな時間のムダです。
しかし、ある程度決まったフォーマットを用意し半自動で作成する仕組みを作ることで、メール送付に要する時間を大幅に短縮できます。
こうした見積業務の省力化や精度アップを実現するためには、以下でご紹介するような適切な見積支援システムの導入が不可欠です。
適切な見積支援システムを導入することでニーズを実現!
見積支援システムによる業務のシステム化により、積算の精度向上や見積書作成・提出業務の省人化といったニーズを満たせます。しかし、一度に全体をシステム化することは難しいため、どのような観点からシステム化するのが最適かを検討し、自社の課題やニーズに適した見積支援システムを導入することが重要です。
自社にとって必要な機能が足りていないシステムを導入すると、追加開発が必要になり、費用もかさみます。具体的には、きめ細かい価格設定をする必要があるにもかかわらず、過去の見積にもとづいた価格設定ができないシステムを導入してしまう、といった事例が考えられます。
また、受注個別生産の場合、コンフィグレータを構築するには価格のマスタ化と商品やオプションの組み合わせなどの制約を定義することが必要であり、マスタ化のためには過去の事例を整理しなくてはならないため、複数の視点からデジタル化を進めなくてはなりません。
大興電子通信はさまざまなソリューションを有しているため、「どこからデジタル化に着手すべきか」「どのようにデジタル化を実現すべきか」といった多様で細かなニーズに対し、どこからでもご支援・ご提案ができます。例えばリアルタイム統合管理システムの「rBOM」は、マスタの標準化や共通化を実現し、コンフィグレータの活用にも対応可能です。
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