購買管理

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購買業務の目標はどう設定する?定量目標・定性目標とPDCAサイクルの回し方

購買業務

購買業務においては、QCDに基づいた「受入不良率」「原価低減率」「納期遵守率」などが目標として設定されます。 それに加え、購買担当の業務内容を評価する際は「問題解決力」「事務処理能力」「サプライヤーとの信頼関係」など数値には表しにくい定性目標も重要です。

今回は、これから購買部門で働く方や購買部門での仕事を希望する方へ向け、購買業務における目標設定について解説します。

購買業務で重視される定量目標

購買業務

多くの部門がそうであるように、購買業務でも定量目標と定性目標を設定することが重要です。

そのうち定量目標は、製造業における重要な3要素・QCD(品質・コスト・納期)と密接に関わっています。購買業務において設定される定量目標は、主に以下の3種類です。

受入不良率

QCDのうち品質に関わるのが、受入不良率です。購買業務では単一、あるいは複数のサプライヤーから資材を購入し、生産部門に引き継ぎます。このとき、購入した資材に不良品が混ざっていると生産計画や営業計画に影響が出るだけでなく、気づかずに顧客へ販売してしまうと信用問題に関わることもあります。そのため、受入不良率を下げることが購買業務の大きな目標の1つとなります。

具体的には、検品を行って不良品を発見する、不良品の多いサプライヤーに是正勧告をする、別のサプライヤーに変更するなどの対策があります。

原価低減率

原価を下げて製品1つにかかるコストを下げることも、購買業務の重要な目標の1つです。できるだけ安く資材を購入できれば、コストが下がり営業利益が上がるため、同じ資材を購入し続ける場合には原価低減に向けた活動を行います。

どの程度の目標を設定するかは、企業や上長の考え、あるいは「原価を下げやすい資材か下げにくい資材か」によって変動します。

納期遵守率

発注したサプライヤーから納期通りに資材が納品されることで、自社も計画通りに生産を進められます。納期が守られずに納期遵守率が下がる場合は、サプライヤーへ是正勧告を出したりサプライヤーを変更したりといった対策を行います。また、自社側の発注が遅いためにサプライヤーに無理をかけてしまっている場合は、社内の体制の改善を行います。

購買業務で重視される定性目標

上述の定量目標はもちろん重要ですが、担当の資材やサプライヤーによって目標に設定すべき数値が大きく変わることもあり、客観的な評価が難しい部分でもあります。場合によっては、以下にご紹介する定性目標のほうが重視されることもあります。

問題解決力

購買業務においてはサプライヤーとのやり取りが多く、QCDのいずれもある程度サプライヤーに依存します。そのため社外の問題に対応しなければならないケースが多く、購買担当には高い問題解決力が求められます。また、購買業務において問題解決力を発揮できれば、定量目標の達成率も自ずと上がっていくことが期待できます。

事務処理能力

購買業務ではサプライヤーとのやり取りだけでなく、発注や検収、支払いなど事務作業も多くあります。そのため、事務処理能力が高ければ入力のミスを減らし、時間を節約して業務内容をコントロールすることが可能です。

サプライヤーとの関係構築

問題解決力と同様に、サプライヤーと良好な関係を築くことも購買業務において重要です。サプライヤーと信頼関係があればQCDに良い影響があるだけでなく、不慮の事態があった場合にも対応してもらいやすくなるなど大きなメリットがあります。

購買業務におけるPDCAサイクルの回し方の例

PDCAサイクル

業務を改善していくフレームワークとしてよく知られているのが、PDCA(Plan、Do、Check、Action)サイクルです。購買においても目標を達成するには業務改善が必要であり、PDCAサイクルに沿って改善活動を行うことができます。ここでは、購買業務におけるPDCAサイクルの回し方の例をご紹介します。

Plan:購買戦略の構築、各目標の設定

購買部門における購買戦略を定め、各目標の数値や内容を設定します。PDCAサイクルは4つの工程が順に回っていくため、ここではActionの結果を経て、戦略や目標の再設定も行われます。

Do:購買業務の実行

設定した戦略や目標に基づき、発注や納入フォロー、コストダウン要求など、業務を実行していきます。。

Check:サプライヤーの評価、自社の評価

業務実行のの結果を受けて、サプライヤーの評価を行います。ここではさまざまな評価基準において数値化ができるため、各定量目標に達成しているかどうかを確認します。また、数値に現れにくい「原価低減などに協力的かどうか」「新製品や新技術に対応できているか」なども評価対象とします。自社の発注が遅れたために納期遵守率が下がっている場合は、自社のフローの評価も行います。

Action:改善策の立案・実行

Checkの結果を受けて改善策を立案し、必要なものから実行していきます。サプライヤーに改善して欲しい部分があれば是正勧告をし、必要があれば改善活動に協力します。十分な結果が得られている場合は、既存のサプライヤーとの関係強化に取り組むなど次の目標に向けた策を立案します。

数字以外の部分も重要

購買業務においては、QCDに基づいた「受入不良率」「原価低減率」「納期遵守率」などが目標として設定されます。それに加え、購買担当の業務内容を評価する際は「問題解決力」「事務処理能力」「サプライヤーとの信頼関係」など数値には現しにくい定性目標も重要です。

購買業務の改善に向けて、目標設定や評価基準に課題をお持ちであれば、ぜひ参考にしてみてください。

また、「受入不良率」「原価低減率」「納期遵守率」の他にも、購買管理業務においては「コスト削減」が非常に重要です。調達・購買におけるコスト削減方法のヒントは以下の資料で解説していますので、ぜひご覧ください。

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野田 隆志
この記事を監修した人
電子契約、EDIのソリューションを拡販する営業部長を長年担務し、電子商取引に精通したスペシャリストとして活躍。
様々な業界のお客さまに対して電子契約のコンサルティングからシステム提案までを行い、お客さまの課題解決に大きく貢献している。
直近では市場のニーズが高まっている電子契約システムに関するWebセミナーの講師なども行っている。
大興電子通信株式会社
ビジネスクエスト本部
ICTソリューション推進部 部長
野田 隆志

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